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イタリア旅行記2019③

■4日目:AMフィレンツェ観光、PM自由時間
観光は早朝に動くべきとは言ったものの、今回の宿は結構郊外なのと、今日は一日フィレンツェを歩き回る予定なので朝はゆっくりすることに。ツアー7日間は全てスターホテルに宿泊するのだが、同じホテルだけあって朝食が毎回同じ。ビュッフェではあるが流石に見飽きてくる。しかもなぜかハムの味が落ちている。そんな微妙な朝。
 
あとかなり気になったのがホテル朝食時の音楽。小綺麗な内装に合わせてとある曲のジャズアレンジが流れていたのだが、それがマリリン・マンソンのThe dope showだった。カトリック本国なのにアンチクライスト曲流していいのか? すごい違和感だった(間違いなく俺しか気づいていなかったと思うが)
 
AMはバスで郊外観光。
①ミケランジェロ広場
フィレンツェの町が一望できる高台。以上。朝方は曇りだったが途中から晴れてきた、快晴になるまで待って写真を撮りたかったが時間切れ。ツアーの嫌なところだ。

フィレンツェを一望
ミケランジェロ像

②ウフィッツィ美術館
読み方難しい美術館。ヴィーナスの誕生、春、受胎告知などが有名だが、絵画はそんなに興味がないので特に感想はない。それより窓から見えたポンテ・ヴェッキオ(ヴェッキオ橋)の方がテンション上がった。よくこの名前のイタリアンが日本にあるが、ようやく由来元を見れたという、違う部分で感動していた。

ウフィッツィから見たポンテ・ヴェッキオ

③シニョーリア広場
ここにきてゲリラ豪雨発生。観光より雨宿りとスリ警戒に全集中しててほぼ記憶がない(フィレンツェで一番スリが多い場所)。雨宿りしていると「アンブレラ・テンユーロ」と連呼する黒人が急増した。チャチな折り畳み傘を€10(1,200円)とぼったくりもいいところだが、盗みや詐欺をしないだけまだマシとも思った。彼らは彼らなりに金を稼ごうとしている。
そんなゲリラ豪雨の中でも観光スケジュールがあるのでズブ濡れのままガイドさんは進む。またしてもこの融通の効かなさがツアーの嫌なところだね。通り雨なんだから15分ぐらい休憩しても良いと思うが、団体行動なのでそれもできず。結局10分ぐらい雨に打たれて、その後は嘘みたいな快晴。やれやれ。
 
④フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)
でかい。またとてつもなくでかい。街中にしれっとあるもんだから、とにかく初見のインパクトが強い。

写真に収めるのがやっと。人の頭の位置と比較すればでかさがわかる

ミラノのドゥオモと違い緑や朱色の大理石を使っているので華やかな印象がある。彫刻もたくさん、絵もたくさん。ミラノのゴシック建築とは趣が異なる。しかし何度見てもこのサイズの建築物は「どうやってこんなの作ったんだ…?」と驚きと疑問を抱いてしまう。中はミサする人しか入れないので外観だけの見学。

着いて5分も経たないうちに急に快晴に。景観は最高。青空バックに白の大理石は映える。

別の日?ってぐらいの超快晴

12:00 pm、現地解散。以降は自由行動。ランチ予定の中央市場まで街ブラしながら15分ほど歩く。途中道を間違えて露店通りに入ると黒人だらけでちょっと警戒。革製品の露店通りで有名な場所だったがイタリア人も観光客もいないので異様な雰囲気だった。少し見てみたい気もしたが治安レベルがわからなかったので足早に通り抜けた。
 
中央市場は1Fが肉・青果、2Fがフードコート。相変わらずチーズが安かったがお土産には買えないので結局見るだけ(肉とチーズは持って帰れない)。乾燥ポルチーニ茸もあったが旅の途中なのと相場がわからなかったのでスルー。2Fでランチ予定だったが、和食ありエスニックありの多国籍フードコートでイタリア感ゼロ、流石にやめた。
 
結局少し戻って、来る途中で見かけたトラットリアに入った。マルゲリータとペペロンチーノと水で€19(2,300円)ぐらい。若干期待していたが全くうまくなかった。客層はイタリア人メインだったので現地人向けの店だと思うが、これなら日本のカプリチョーザのほうがうまいぞ?

ほほう、これが本場のペペロンチーノ…サイゼリヤかな?

ここでも他の客を観察していたが、イタリア人はパスタを巻くのがうまい。というか格好良い。日本人は鉛筆持ちでフォークを回転させるが、彼らは順手で持って(包丁と同じ握り)、手を逆さにしながら、全部の指でフォークを回転させて綺麗に巻いていくのだ。それを見て俺もマネしてみたが、これが思ったより難しく、全くできなかった。これはこれで練習が必要だ。日本人は箸を使うから鉛筆持ちで回すのだろう。ただ彼らの順手のクルクル巻きはかなりエレガントだ。いつかできるようになりたい。
 
イタリア人はスローフード文化(メシをゆっくり食べる文化)なので、本当に全てが遅い。オーダーを取りに来るまでに10分以上かかったし、会計をするにも15分以上待たされた。暇そうな店員に声をかけても「彼が来るわ!」と言ってヒマそうに立っている。おいおい…。
後で知ったことだが、オーダーを取った人が会計も行う、というルールらしい(なんやそれ)。チップが発生するからか? ちょっとイライラしてきたが、郷に入りては…ということで、彼らのスピード感に合わせるよう努力した。
 
さて、うまくないメシの口直しにジェラテリア巡り。まずは人気店のエドアルドにて。

ピスタチオとレモンのジェラート

量が多い。人気の理由はこれか。うまいと言えばうまいが、ヴェネチアで食ったピスタチオの方が断然うまかった。ここは1つ目のフレーバをカップにすりきりまで入れて2つ目を上にのせるタイプ(上下2種)。これだと1つ目のフレーバが自然と量多くなるのだが…。店によってこの上下タイプか左右半分タイプかに分かれる。
次はペルケノ。ジャンドゥーヤとイチゴ。やわらかめ。あまり記憶ない&写真もない。
最後ペルセオ。ここはジェラテリアではなく立ち飲みカフェなのだが、ここのコーヒージェラートがフィレンツェで一番うまかった。コーヒー屋だからかな?

コーヒーとミルクのジェラート

下調べした店はもっとあったけど、とてもじゃないが回り切れなかった。全部制覇するのは2日がかりとかになりそう。そのぐらいジェラテリアが多すぎた。
 
その後は皮製品市場へ。ここは前述の怪しい露店通りと違って真っ当なところ。イタリア人がやる気ない感じで店を構えている。相場を知らないので安いかどうかは判別できなかったが、デザインは全体的に大人向けで悪くない。長財布を買おうかと見て回っていたが、折り畳みタイプしかない。たまにあってもなぜか少し短い。千円札がギチギチで少し折れれば入るが、あまり見栄えが良いとは言えない。なんでやねんと思っていたが、ユーロ札の方が短いためだ。納得。こういうところで国の違いが見えるのは面白い。記念にバッグを買っても良かったが、俺自身あまりバッグを持ち歩かない人なのでやめた。
 
結局何も買わずに市場を南下して、本日の目的地、マルテッリグローブへ向かった。妻がここの手袋を買いたいと旅行前から言っていたので(有名店らしい)道案内する。俺はミーハーなので有名店とか、ここでしか買えないとか聞くとすぐに欲しくなってしまう人だが、俺はすぐ手袋なくす人なので買って無くしたら相当へこむだろうと思い我慢した。カウンター越しの対面販売だったので店員と会話するチャンスだったが「これとこれの違いは?」とか色味とかをイタリア語でしゃべれるわけもなく、結局終始英語。英語って便利だな…。女性用1つで€55(6,600円)、手袋にしては結構な値段だが、本革を考えれば安いのか?わからん。
 
さらにアルノ川まで南下しヴェッキオ橋を渡る。橋と言っても両サイドに宝石店が立ち並んでいるので商店街みたいな雰囲気だ。キオスクみたいに奥行のない店がずっと並ぶ。橋の真ん中に来て初めてアルノ川が見えたが、撮影スポットなので人でごった返していた。アルノ川南にも見どころや行きたい店があったのだが、既に16時を回っていたので少し散歩する程度にとどめた。
 
中心部に戻ってきたのは17:30頃。結構歩いたものだ。ここからホテルまではタクシーで30分ぐらいだが、現地の電車にも乗ってみたかったので駅まで歩くことに。中心部から駅の方に戻るにつれてファストファッション店が増えてきた。地元民は駅周辺で買い物をするのだろう。中心部は結構お高めだったが、観光客向けというわけだ。
 
18:00、サンタマリア・ノヴェッラ駅内と周辺でレストランを探すも全く見当たらない。マクドナルドやパニーノ屋ならあったが、歩き疲れていたのでレストランでゆっくりしたい欲が強かった。調べてみるとイタリアは夕食が遅いのでどこも19時以降にならないと店が開かないらしい。マンマミーア!どこかで時間をつぶすしかないと考えていたら、近くのサンタマリア・ノヴェッラ教会に銀卵が!(またポケgo)いやいやレストラン開くまでの時間つぶしで仕方なくやで?みたいな言い訳をしながら向かったのだが、卵割れても誰もいない。あー駅前の教会で19時でも人いないんやなーと、流行ってなさを実感。ただよく考えたら近くにミサンガ売り結構いるし、そんなに治安も良くなさそう。フィレンツェも夜歩けない街なんだから、外でゲームなんかしてる場合じゃないね。

サンタマリア・ノヴェッラ教会とオベリスク

夕食は教会裏のレストランにした。テラス席しかなく気温12℃ぐらいだったが、着こんでいたのと暖房が近かったのでそこまで寒くはなかった。アマトリチャーナのパスタとポルチーニ茸のリゾット、水を頼んで€30(3,600円)ぐらい。味は全部で360円だったらまた来ても良いかな、って思えるぐらいの味。一口目でお腹いっぱいになるので、予定が詰まっている時には良いかもしれない。

本場のパスタとリゾットはうまいと信じていた

イタリアの外食はうまくない、と理解し始めた。イタリア人は大抵パニーノを立ち食いしてて、レストランに入るのは外国人ばかり。最初はイタリア人の平均所得が低いからレストランには行かない=安いパニーニで済ます、と思っていたが、純粋にうまくないだけだ。観光客は座って食べたがるからレストランに入る。立ち食い店は観光客を見込めないので、常連にリピートしてもらうために安くてうまいのを出す。なるほど、観光地ならではの現象だろう。これもまた面白い。
 
夕食後、帰り方を調べていたら、電車よりトラム(路面電車)の方がホテル近くまで行けるとわかりチャレンジしてみることに。乗り場近くまで来たものの、何の説明もないし係員もいない、券売機があるだけ。全く勝手がわからなかったのでネットで調べてみると、€1.5(180円)で100分乗り放題らしい。距離ではなく時間で料金が変わる。しかも改札がない。日本にはない仕組みだ。こういう時スマホは本当に便利だ。トラムの乗り方から料金まで書いてあるのだから。券売機はタッチパネル式で、英語を選べたので特に苦も無く買えた。
 
ホテルに行くBルートのトラムが来たので乗り込む。他の乗客はみな乗車券を機械に通していて、あ、これなんかピッってするやつ?ともたついていたら、隣にいたロードバイク兄ちゃん(トラムにロードバイク持ち込んでいた人)が「こうやんだよ」って言ってやってくれた。グラッツェグラッツェ。走行中に路線図を見ていると、どうやらBルートはB-1とB-2の2ルートがあるようで(そんなの乗り場には書いてなかった)、「あ…これもしかして別のほう行くやつ?」と気づいた時には既に2-3駅を過ぎた後だった。何度見ても別方向だと思ったので、念のためさっきの兄ちゃんに「プルート門に行きたいんだけど、このトラムは行きますか?」とイタリア語で話しかけてみると「Non,これは行かないよ」とイタリア語で教えてくれた。じゃあ仕方ない次の駅で降りて戻るか、と思っていたら兄ちゃんが、
「君は次の駅で降りて反対側の電車に乗ってノヴェッラまで戻って、そこで別行きの電車に乗りなさい。そうすればプルート門に行けるよ(発言そのまま)」と超丁寧に教えてくれた。神か。生まれて初めてトラムに乗る人に見えたのだろうか。まぁ乗車券の記録も知らなかったわけだし、そう見られていてもおかしくはない。ただ流石に乗り換えぐらいはできるわ!と思ったが、彼の善意は素直に嬉しかった。グラッツェ。
次の駅で降りるつもりだったが、なんか普通に通り過ぎた。あれ?今の駅だよな?と思いつつキョロキョロしていたら「降りるときはボタンを押すんだよ」とまた兄ちゃんが苦笑しながら教えてくれた。なるほど、降りる時はバス形式なのね、路面電車のくせに。で、ボタン押そうにもそもそもどこにボタンあんねんみたいなことしていたら、「これだよ、これ」って言いながらまた兄ちゃんが押してくれた。バベーネバベーネ、グラッツェ。何回お礼言ったかわからんね。何から何まで教えてもらってしまった。降り際にまたお礼を言って、後は普通の電車のように乗り換えしながらホテルまで戻った。
 
正直ここに来るまでのイタリア人の印象は「やる気ない、適当、愛想悪い」とかなり悪かったが、ロードバイク兄ちゃんのおかげでだいぶ見方が変わった。実はイタリア人は超カンパニリズモ(郷土愛主義)で、地元は超大好きだが、それ以外は敵、みたいな結構極端な排他的思考の人が多いらしい。だから観光客にはおざなりになるのかもしれない。それを踏まえるとこのロードバイク兄ちゃんも、俺がイタリア語で話しかけてきたから親切にしてくれたのでは?とも思う。話の途中、イタリア語に詰まって英語に切り替えたのだが、彼は全く英語がしゃべれなかった。なので拙いイタリア語だけで何とか話そうとしたのだが、それが逆に良かったのかもしれない。
日本人でも同じことが言えると思う。外国人に英語で話しかけられても、英語に自信がないと避けてしまうけど、彼らが幼稚園レベルの下手な日本語で「ヨコハマ、デンシャ、ドコ?」と尋ねてきたら、ちょっとは助けてあげようという気持ちになってしまうよね? ロードバイク兄ちゃんがたまたま親切な人だった、というだけかもしれないが、現地語でコミュニケーションするというのは、自分が思っている以上に大切なことなんだと感じた。とても重要なことを学んだ気がする。もっと真面目にイタリア語を勉強しておけば良かったと本気で後悔した。
 
20時頃にホテルに戻ると、丁度ツアー仲間がガイドさんと一緒に夕食に行くところだった。ガイドさんにトラムで帰ってきたと告げたら驚かれた。ツアー客は大抵タクシー使うかガイドさんと同行するのが普通らしく、公共交通機関を使う人はほぼいないらしい。確かに結構難しかった。
今日はずっと歩きっぱなしだったので早めに就寝。

その④に続く イタリア旅行記2019④|tomo_1851 (note.com)

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