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イタリア旅行記2019④

■5日目:AM移動→PMバチカン~ローマ観光
この日も朝はゆっくり。ホテル周辺に何もないのと、結構な大雨だったからだ。4回目の見慣れたビュッフェは、同じ系列ホテルに連続して泊まってはいけない、という大切なことを教えてくれた。
amはバスでローマへ移動(約3時間)。フィレンツェは大雨だったが、ローマに入る頃には止んだ。
 
昼食はローマのレストラン。チーズフェットチーネとビステッカ。今までと比べると量はだいぶ控えめだが、日本人にはこのぐらいで丁度良かった。チーズフェットチーネはうまかった。ただチーズで和えただけだが、チーズがうまいのでうまい。
 
昼食後はトレヴィの泉、スペイン広場、バチカン市国を観光。

トレヴィの泉

でかい(またか)。太陽の塔やスカイツリーみたいに遠くから見えるなら心構えができるけど、トレヴィの泉は街中にいきなりあるので不意打ち感がすごい。そのぐらい急に出てくる。狭い路地にあるため観光客だらけでちょっとしたお祭りのよう。当然これだけ人が集まるところにはスリも多いのでいつも以上に警戒する。あまり心休まる感じではない。観光スケジュールがタイトなので15分ぐらいしか滞在できず。

スペイン広場

映画「ローマの休日」で有名な階段。観光名所ではあるがアシンメトリーだし、トレヴィのインパクトが強すぎて感動はなかった。警官も常駐しており物々しい雰囲気を出している(この頃観光客や移民が階段に座って占拠するのが社会問題になっており、座ったら即罰金だった)。
 
続いて世界最小国のバチカン市国。ローマの中にある別の国で、東京ディズニーランドと同じ面積という特徴を持つ。観光スポットだけ行くなら入国手続きはしないで済む。

システィーナ礼拝堂、回廊の天井彫刻

ミケランジェロの天井画、最後の審判等が有名。ただ絵画は見ても感動はそこまで。しかしなぜ昔のイタリアでは天井に描くことが多かったのだろう?(教義で天井は天界を描く場所、と決められていたらしい)
中庭広場に出たところで雨が降り始めた。さっさと先に行きたいところだが、ガイドさんは雨の中律儀に解説している。ほどなくしてスコールになり傘をさしてても横殴りの雨で全員ずぶ濡れ。解説が終わって再び室内に入った頃には一気に晴れた。もうちょっとうまくできんのかね?英語できればツアーじゃないほうが良い。身に染みて思った。

サンピエトロ大聖堂

ローマカトリックの総本山。どことなくミラノのドゥオモに似ている。

大聖堂前の広場。隠しボスいそうな雰囲気

広場付近に有名な門番兵がおり、その見学途中でまた雨がパラパラと降り始めた。さっさと先に行きたかったが、ガイドとツアーメンバは皆見学に夢中。途端にまたスコールになって全身ずぶ濡れに。皆、学習しようぜ。

帰り際、夜のサンピエトロ大聖堂外観

19:00、タクシーでホテルに戻ったらすぐにカジュアルフォーマルに着替えて再び外へ。夕食はホテルのコースだったがキャンセルさせてもらい、歩いてオペラ座へ向う。

Teatro dell' Opera
モーツァルト:クレタ島のイドメネオ 初日公演

ホテルからは徒歩3分ほど。テンション上がりっぱなしでやばかった。ロビーに入ると皆スーツにネクタイやロングドレスの正統フォーマルで、自分たちのカジュアルフォーマルが浮いてしまうほど。ドレスコード間違えたかと一瞬不安になったが、似たようなカジュアルフォーマルもそこそこいたので一安心。
 
場内観察すると、まあ上流階級っぽいような人しかいない。街中では全く見なかったダンディ&マダムだらけ。平均年齢50歳オーバぐらいなので日本人の俺らは余計に子供に見られたかもしれない。比較的若い人(といっても40歳以上)も、同じカジュアルフォーマルでも雑誌の表紙みたいな着こなし具合とオシャレさだった。経験したことのない上品な社交場の空気に「たまにはこういうのも悪くない」とかわけわからん事を呟いていた(浮かれていた)。

何か軽食でもとフォカッチャとコーヒーを。周りは皆ワインだった

演目は「クレタ島のイドメネオ」初日公演。センターブロック3列目という極上席を金の力で手に入れた(2人で€320:約4万円)。観劇は金に糸目をつけず前で見た方が絶対に良い、というのが経験則であり持論。後ろは安いけど色々悔いが残る。金を渋る場面ではない。舞台と1列目は5mぐらい離れていて、そこにオーケストラがある。生オーケストラの観劇はレ・ミゼラブルに続いて3回目。生オケはあるとないとでは天と地の差なので期待大だ。
 
内容は正直微妙だった。
物語はトロイア戦争が終わった後の話なのだが、今回の公演に限り現代版にアレンジされたものだった。本来古代ローマの衣装なのに、まさかの軍服にダウンジャケット…、俺は古典的なオペラが見たかったのに!!!
見ている最中、これ本当にイドメネオか?と疑問にもなった。ただストーリーはイドメネオだったので間違いないのだが、なんだこれ状態でちょっと集中できなかった。もちろん歌やアリアはとても良いよ。だがな、軍服で銃持っている奴がネプチューン(海神)とか言われても入ってこないでしょ!(ギャグやで)。せめてトライデント持てよ。そんなモヤモヤが残る公演となってしまった。
 
休憩時間に色々調べると、今回の演出作家は色物で、昨今の移民問題をテーマにしたとのこと。またこれか。映画でも社会問題をテーマにして「映画を通して社会問題に向き合おう!」みたいな意識高い空気が流行っているけど、まさにこれ。そういう風潮があることを否定はしないが、あくまで原作を壊さない程度に留める、又はうまく溶け込ませるのが最低条件だと思っている。いくら社会問題をテーマにするといっても、歌舞伎で主役がスーツ着てネクタイ締めて化粧無しだったら、もうそれは歌舞伎とは言えないだろ。
企画側はマンネリ防止のため何らかのチェンジを起こそうとするし、その気持ちも理解できるが、古典を求めている人も一定数いる。特に観光客はそうだ。俺もどちらかと言うと革新派だったが、伝統を残すというのは一部において、とても大切なことだと実感してしまった。旅の前と後では人が変わるとよく言うが、確かに俺の内部で色々な変化が生じていた。
 
19:30開幕で終わったのは23:00、想定より30分も長かった。開始するのも19:40頃だったし、1幕と2幕の尺のバランスも悪かった(1幕がかなり長かった)。この辺りはイタリアのアバウトな風習に寄るものだろう。きっちりしていないことにも、段々慣れてきた。
ホテルに戻って軽いルームサービスを食べて就寝。

その⑤に続く イタリア旅行記2019⑤|tomo_1851 (note.com)

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