タンザニアで6時間待たされても怒れないワケ
マンボ!
タンザニア在住ライターのほりとも(@tmk_255)です。
タンザニアには、世界のスタンダードとは違う「ある時間」が存在します。その時間の存在を知らないと、「6時間待たされる」という痛い目にあいます。
海外旅行に行くと、時間にルーズな国もたくさんあるので、時間通りに行動することを小さい時から教えられる私たち日本人はびっくりします。時間通りにイベントが始まらないとか、電車が時間通りじゃないとか。でも、タンザニアのこの時間は、そういう「遅い!」とはまた違うレベルなのです。
今日は、『スワヒリ時間』と呼ばれるこの時間をご紹介。21世紀の今の時代でも、まだこの時間を使い通しているタンザニアの人たちってすごい、と尊敬の念すら感じるかもしれません。
スワヒリ時間の洗礼
その日は、自宅で家電の業者さんを待っていました。家のエアコンが壊れたので、直してもらうためです。
前日に、覚えたてのスワヒリ語で業者の人にこう伝えたのです。
「明日の9時にきてね」
「OK!」
朝9時になっても、まだ到着しません。ここはタンザニア、時間通りに来るのを期待しちゃいけないよねと思いなおし、私は待ちました。
10時、11時と時間は過ぎ、正午になりました。3時間遅れです。さすがにひどい!と思い、電話をしますが、電話にも出ません。
業者さんが到着したのは、午後3時でした。9時にお願いしたのに、6時間遅れの午後3時に到着とは!遅すぎるにもほどがあるぞと怒り心頭の私に、業者の人は悪びれもせずこう言い放ったのです。
「時間通りにきたよ。今はスワヒリ時間の9時」
うちにいたお手伝いさんにも、一緒に怒ってもらおうと、熱く私の怒りを伝えましたが共感してもらえませんでした。
「この人6時間も遅れてきたのよ!」
「うーん、時間通りに来てる…けどね…」
と、いつもは私の味方のお手伝いさんも苦笑い。
ホテルでのチェックアウト時間が激早
これは、友達の話。タンザニアに旅行に来て、ホテルに泊まりました。
チェックアウトの時間を聞いたら「朝4時」と言われるのです。
「朝4時って早すぎ!タンザニアの人たちは朝が早いのか」
そう思って、彼女たちが目をこすりながらまだ真っ暗な4時にホテルのチェックアウトのカウンターに行ったら、誰もいません。
「4時にチャックアウトだなんてウソを言うな~!!」
ところが、本当のチェックアウト時間は、朝10時でした。これまた、4時というのはスワヒリ時間で、私たちの時間とは6時間の時間差があったわけです。
タンザニアの学校や仕事の開始時間、バスや列車の運行時間などは、こうやって世界の時間より6時間遅い『スワヒリ時間』で表記されているので、外国人には要注意なわけです。
どうしてこの時間を使っている?
外国人には理解不能のこの『スワヒリ時間』。どうして、こんな混乱する別の時間を使っているの?と思いますよね。
スワヒリ時間では、日がのぼる時間から1日がスタートすると考えます。だから私たちの朝6時がスワヒリ時間の0時。ほぼ赤道のすぐ下にあるタンザニアは、一年中、朝6時に日が昇って、夕方6時に陽が沈みます。だから太陽がのぼったら一日がスタートする、と考えるのは理にかなっています。
そのため、おやつの3時はスワヒリ時間で(マイナス6の)9時、お昼の12時は、スワヒリ時間で6時と表現します。私たちが使う時間からマイナス6すると、スワヒリ時間です。
外国人とのやりとりに慣れているタンザニア人は、世界の標準時間で会話をしてくれますが、そうでない場合は要注意です。「これはスワヒリ時間じゃないよね?」と確認したほうが安心です。
まとめ
タンザニアにはたくさんの「へぇー!」と驚く文化がありますが、このスワヒリ時間は、私が実際に体験したこともあり、忘れられなくてユニークだと思うタンザニアの文化。
タンザニアの人は時間の流れにも寛容で、マイペースなので、イラっとすることもあるのですが、この世界標準とは異なる『スワヒリ時間』に従い自分たち独自の時間で生活をしているところが、なんだか良いなあって思います。
私がこのスワヒリ時間に慣れることはなさそうですが、時間にあくせくしないで生きていこう!そう思わせてくれるタンザニアの文化の1つであることに間違いありません。
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