One piece prayer(ワンピース プレイヤー)

「そろそろかなぁ…」

私は 祈る。

どんな傷みを 抱えていたとしても。

私は 祈る。

どんな暑さや寒さに うちひしがれようとも。

ただ じっと そこで 祈りを拡げる。

でも 後5分くらいしたら 来てくれるはず。

ともに 祈ってくれる『あなた』が。

だから 祈っていられることを 知っているよ。

「晴れてくれてよかったなぁ…」

冬枯れた あまりに澄んだ空気が 肺を満たす。

後 何度 息を吸えば『あなた』は 来るだろう。

後 何度『あなた』と 一緒に 息を吸えるのだろう。

そんな 見えなさ過ぎる未来を 考えて 微笑んでみる。

「わぁ!」

『私』の視界が 突然の暗転を迎える。

「ビックリしちゃうよ…あと 皆 多分 見てる…」

見えていない世界の視線を 予想する。

「…確かに。 やらかしたぁ…」

素直に 照れている『あなた』を ようやく 見つけた。

「そういうところ あるよね。」

「そういうところ あるんだわ これが。」

二人で 笑顔を 向け合う。

今日も 会えた。

『日常化』しているようで しかし してはいけないモノ。

それが ここに在る。

「…ねぇ。」

『あなた』が 恥ずかしそうに 見詰めてきた。

「どうしたの?」

おそらく バレたのだろう。

『あること』に。

「そのワンピース…俺が 好きだっていってたやつじゃない?」

「大正解!」

『私』は 最上級の笑顔を『あなた』に 捧げた。

そしたら『あなた』も つられて 最上級の笑顔になってくれた。

きっと それ以外に 大切なモノなんて 無いのだろう。

その『ワンピース』が 心の中に 在りさえすれば。

お互いが『パズル』で『ピース』なことを 忘れさえしなければ。

私は 祈る。

『あなた』の 心地好い 腕の中で。

私は 祈る。

微かにした『ピース』が 埋まる音の中で。

※この作品は あたすのフォロワーである『ゆり葉様』と『鈴木康仁様』の リクエストによるものです。

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