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ふりんふりんぶりんぷりりん。

「愛されたい、大切にされたいなら人の夫に手出すな!手出すなら、自分も大切にされない覚悟しろ!大切にしない男だからお前に手出すんだから」

この言葉、意外にジンと来る。
お前を大事にしない男だから手を出す、と言われりゃ、確かに折れるわな。心だけが折れる。
でも、仕事だし、とわりきっていたなら、、、大金もらうし、、、と喜んでいたなら、その女もとうの昔に、情報媒体のいい餌食になったと言うことだ。
むしろ数人いたと言う不倫関係女性達も、実は被害者なのかもしれない。

この頃の行き過ぎ不倫報道に、ちょっと霹靂している。誰が誰を好きになろうが、関係を持とうが、そんなこと他人には関係ないし、むしろあまり知らんでも良いものを、これ以上頭に入れときたくないとまで思う。願いもする。頼む頼む、やめてほしい、と。
こんなのが勝手に目に入り、「何ごと? 」と目と好奇な頭が活字を追いかける。
そうなった時は最後。先に仕入れたコロナに対する蘊蓄もその日1番の情報も、とりあえずインプットした全てが、スッコーンと一発で消えていくのだ。
ああ、これだから歳は取りたくなかったんだ。

芸能人の、それもお笑いの、何ともなしな番組が多いこの時代に、有名人だからと言う尺度のはっきりしない線引きで、名前など知らない者もいれば、対して芸らしい芸もない人間もいれば、とにかく全てが翌日には新聞記事になって登場してたりするのがこのご時世なんだ。

なんか、ズレている。
下らない、どうでもいい、と思いつつ、コロナと同じページに、堂々と登場して、それも長々と続く。不倫の当事者だけでは留まらず、配偶者、子ども、家族全ての所に取材と嘯いたにわか記者がわき、あることも無いことも全部ミックスして、一斉にSNSで暴露合戦がスタートする。もうここには倫理観も日本人が持ち得る正義感も誇りも何も生まれてこない。
ただただ、人が人を潰す。

近年、新聞はどちらかと言うと情報が遅く古くなりがちだ。ブログだのSNSだの、所謂ネット配信で全てが終わる、指が疲れてもやっと活字にして添削してと、まめ人を絵に描いたような作業はとうの昔に廃止状態。今はキーボードをちょいちょいと叩き、最後に送信ボタンをビッと押したら投稿は終わる。なんてお気軽お手軽な時代なんだろう。
でも、こうなってくると、両者共にお金が発生する仕事なので、ちょっと話は違ってくる。文字を覚え、文を作成した時に得られる達成感や充実感はもはや過去の産物でしか無くなったが、そこに敢えて生き残りをかけた新聞は「痒いところに手が届いていた」頃のハーレム時代を忘れておらず、適度に調味料やスパイスを振りかけ、人々が記事を良く噛んで喉に送り込む手伝いをし始めた。ネットには情報供給の点で遅れをとるとわかると、今度はそこを逆手に取り、ネットで配信された情報に我が身の予想とでっち上げをプラスして記事にして送り出す作業こそが、現在の乱れ飛んだ下劣極まりない状況、許すも許さないも存在すら拒否したくなる悪徳の産物を誕生させたのだ。

新聞を読む総数は変わりつつあると言っても私たち中年層は地方版から始まり、TVでは速すぎて良くわからなかった統計や図表も見るし、政府の動向も確認する。壮年層はコロナの影響や住まいの工夫なども新聞から仕入れる。
またここで1番厄介なのは、学校の自主学習で何が調べ学習できるものはないか、来週の朝の会でクラスのみんなに発表出来る掘り出し記事はないかと、週末に1週間分を読みあさる小学生がかなりいる事だ。
興味津々、好奇の目しかない彼らはコロナと同じくらい簡単に下世話な話題に目を止める。更年期で目が見えなくなったと騒ぐ中年と同じように、朝の時間の記事など、もう頭のどっか後ろにぶっ飛び、代わりに前面に占める話題はふりんふりんふりんふりん。

人が死に、家族がバラバラになっても、まだ事足りず、そればかりか、さも国家の危機でもあるかのごとく訴え続ける情報媒体の本当の真意はどこにあるのか。
人に畳み掛けるように、しつこくネットで口走り、堂々とありもしない憶測と予想を上げ、内容など当然なく、ただもう下劣率100%を超える記事を放出し続けるマスコミ、情報提供媒体の急増こそが、国家の重大事なのではないだろうか。

芸能人の不倫くらい、くそみたいなものじゃないか、と、悪いけど本当にそう思う。男なんて綺麗な女とあわよくば、、、と年中頭ん中をよぎっているものだろうし、金作れるなら、一度くらい小遣い稼ぎするか、と思う女がいたとしても、そんなこと、個人の事情をいちいち、公共の電波やら紙面に出す必要があるのか。下劣度は、どれをとっても、どこも両成敗じゃないのか。

例えコロナが減少してきているとしても、こんなご時世で、沢山の人が心病んで、金も仕事もやっと築き上げた信用も失った人間たちだらけの社会。何か気晴らしになったり、職場の話題になるような記事はないかなと、ちょっと開いたネットで新聞上に、これでもかーこれでもかーと言わんばっかりに、今日も疲労困憊最高薬が躍り狂う。


写真はサイトより借用。

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