多彩な青年期を迎えて。
彼の人間性を垣間見ることができた最高の出来だと思う。
ただスケートをしているのではない。
インタビューでの最初の協議からはじまり、独自のUPの仕方、音楽に合わせてリラックスしながらのストレッチや筋肉運動、足首のトレーニングなど、綿密に行なっている。ほぼ1時間をトレーニングに費やした後で、リンクに降り、お気に入りの曲をかけながら、身体の隅々に命を吹き込む。足、手、背中、頭、肘、膝、許す限りのありとあらゆる場所に触れる。そして曲に合わせて歌いながら、体を氷に滑らせて行った。
※コメントの数に驚きましたー。世界中から。
2時間のうちの、残り30分になり、ようやく陰陽師のオリンピックで何度も聞いた音楽が耳に入ってきた。
いよいよかな、と思いきや、羽生本人はまだ、氷の上でUPしていた。
耳慣れた音楽が、何度か流れていくうちに、羽生の足は高く上がり始め、速度がついてくる。
そのスピードはとても早く、トントンとこちらの呼吸も早くなった。
次の瞬間、そばで見ていると、こんなに加速するのか、と思ったか否か、のうちに、ずーっと跳び上がり、4回転。
シャーっと言う氷をかく音と同時に、氷上におりた。
こんなに素晴らしいものなのか。
カメラマン、スタッフからの拍手が起こっている。
やはり、皆んな、感動したんだ。
残り時間僅かになると、オリンピックで見た時と同じ様な緊張感で、陰陽師晴明になり込んだ姿が、何度も宙を舞った。ついつい、
挑戦をやめるなよ、
オリンピックやめるなよ。
と呟く自分がいた。
アスリートたちは、こうやって自分自身で、メンタルを作り上げていく。
2時間もの動画の中で、羽生がフルで演技したのは、最後の一度のみ。
その最後の一曲の為に、1時間半ものUPを続ける。
誰に話しかけるでもなく、他所を覗くわけでもなく、ひたすら自分の世界に浸り込んでいく。
この一曲が終わると、リンクの端から端まで、拍手👏が鳴り響いた。あの時と同じ音だ。
その場にいた全ての人が、羽生と一体になり、流れを見届けてきたのだった。
この人は目で、物を語る。柔らかいしぐさで視線を落とすわりに、その目の奥に鋭さと強さを見つける。
ありがとうございました。
また、半年後ほどにやります。
よかったら、また見てください。
と考えられないほどの多くのカメラに向かって、息を切らしながらも、笑顔でお辞儀して話す羽生結弦。
謙虚で、飾らない笑顔と態度。
こんなところが、人に愛されるんだなあ。
上のサイトをクリックすると見ることができます。
ただ、2時間覚悟です。笑
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