35歳にして体外授精のハードルの高さを初めて知った。

前回投稿の通り、約1年間の妊活を経て体外授精にトライしようとなった2023年7月頃、我々夫婦には事前知識がほとんどなく、体外授精を始めるにあたってクリニックから体外授精とはなんぞや、という説明を聞く毎にそのハードルの高さを思い知るのであった。

まずは費用面。
これまでの人工授精だと保険診療で約1−2万程度で済んでいた出費が、採卵や培養、胚移植、凍結などの各工程での施術であったり、ホルモン剤など投与される薬剤の費用、各種検査の費用などで1回あたり15−20万円程の費用が飛んでいった。(これでも2022年4月からの不妊治療への保険適用が始まったためこの程度で済んでいる・・・、これが自由診療だったことを思うと3倍の費用が掛かるということ。助成金はあったのだろうけど・・・。保険適用を推進された菅前首相には頭が上がらない・・・)

また、通院回数の多さ。
人工授精の際は、卵の成長度合いを計測し排卵のタイミングを決めるための通院1-2回と、精子を選定して女性の腟内に注入する1回くらいなので月2-3回程度の通院であったのに対して、体外授精の場合だとその1.5倍(感覚的には2倍以上)の頻度で通う月7-8回ペースのイメージであった。
まずは生理開始3日目くらいから卵巣刺激のためのホルモン注射の投与開始&注射の受け取りなどで1回、採卵約2日前の卵の生育状況の確認で1回、採卵実施で1回、胚移植実施で1回、妊娠判定で1回、経過観察で2-3回。
しかも1回1回の診察や手術で拘束される時間が3-4時間掛かることもあり(私のクリニックはとにかく待ち時間が長い・・・)、私がリモートワークでなかったらどう対応していたんだろう・・・と思う程であった。

更に、採血や卵巣刺激で使われる自己注射の回数の多さである。
私は幼少期入院していた際のトラウマで35歳になった今でも注射が大嫌いなのだが、生理開始直後から採卵までの間に、感染症確認の採血や、卵巣刺激のための自己注射を約1週間の間に計6ー7回打たなくてはならず、これが一番のハードルであった。
不妊は夫の精子の運動率が悪いのが原因なのに(いや、もちろん100%夫が原因とは思っていないのだけど;)、ただでさえコンディションの悪い生理中に大嫌いな注射を私が自分の手で打つという行為が、幼少期のトラウマを上書きするかのような恐怖しかなく、この時期は毎日「ほんと最悪」「最低」が口グセになるくらい、、苦行以外の何物でもなかった。

実際のところ、自己注射はゴナールFというペンタイプのもので(糖尿病患者さんなども使われるらしい)、自分で打つことを想定されて作られているからかデザインなども恐怖心が出ないようにデザインされている。最初の1-2回はめちゃくちゃ怖かったが、実際に痛みはあまりないことがわかると、徐々に大きな恐怖心は薄れていったように思う。
ただ、排卵日前々日の夜に投与するhCG注射というのは、見るからに注射器の形をしたものに自分で薬剤を混ぜ、自分で注射針をお腹に刺さなくてはいけない、というものだったため、本当に辛かった。
これらの自己注射はやり方を間違えたくなかったため、夫にマニュアルを呼んでもらったり助手をしてもらいながら対応しました。

振り返ってみると、採卵前までだけでも、我ながら頑張っていたなぁ。
でも、採卵当日は、、、本当に辛かったので、また後日。

(つづく)


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