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季節のにおい


季節の変わり目の夜はいいにおいがすることが多い。

大学に入学するまで、周りの人もみんな季節の変わり目ににおいを感じていると思っていた。

しかし、ある時ネットで一部の人しか感じ取れる人がいないことに気づいた。

今のところ身の回りには1人しか確認できていない。

雨の匂いは強烈だからほとんどの人がわかるが、季節のにおいはわからない人が多いようだ。

雨のにおいは、土にいる微生物が舞い上がることで起きる。

比較的感じやすい「夜のにおい」は、太陽が沈んで大気の対流が落ち着いて何かが地表付近に溜まることで生じるらしい。

朝のツーンと乾燥したにおいの正体もそれと同じものだろう。

また、おそらく花の匂いだと思うが、春は昼でも「春のにおい」を感じる。

春から夏の間のにおいは、青臭い葉っぱのようなじめじめした感じ。

夏から秋にかけては、野焼きのにおいが混ざった郷愁じみた香り。

冬に近づくと、トイレに入ったとき、冷えた空気とともにツーンとした芳香が鼻を刺す。

季節の香りを楽しめるのは日本と気候が似ている国や地域だけだと思う。

東南アジアは常夏だし、極地は年中真冬、エクアドルの高山地帯においては常春だ。

バランスよく四季を感じられ、しみじみと趣を大切にする文化は日本独自のもの。

こう考えると海外に移住するという選択肢は一生浮かばないかもしれない...

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