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Semester 3 Week 3「"住むための建築"と"アートとしての建築"」

経験と知識不足のために深い議論はできませんが思考メモとして残しておきます。

建築家が設計した建物は必ずしも住みやすいものではない。なぜなら建築設計において考慮される項目は住みやすさだけではないからだ。

住宅街でよく見る機能的な建築に対して、抽象的なコンセプトに則ったものや、その場所その時代に設計されたこと自体が貴重だとされる文化的な建築もある。

建築家は「風通しを良くしたい」といった表面的な課題ではなく、根本的なその基礎の部分―哲学的な領域にまで思考を凝らしながら設計する。それが時として理解者を選ぶためアートとしての見方も生まれてくる。

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YouTubeである建築家の講演の動画を見た。建築家ではあるものの、個人事務所を立ち上げて活動しているわけではなく、組織設計事務所に所属している一人のサラリーマン。その方の設計は大企業の特徴を明確に表しており、抽象的な美としての建築というよりも、工学に根ざしたインダストリーとしての建築、どちらかといえば環境デザインに近かった。

正直その建物は建築ではないと感じる建築家も一定数いると思う。二元論は好きではないが、それにはビジネスライクな「施設」と彫刻風の「建築」のような違いがあるのかもしれない。

多くの人の心をつかむのは前者、デザイナーや芸術肌の人たちに評価してもらえるのは後者だと思われるが、二項対立で片方が100でもう片方は0のようなことはない。

「用・強・美」のように互いに要素は持っているがその割合はそれぞれ違うというのが本当のところだと思う。

機能を優先にするか、美を優先にするのかは、プロジェクトや依頼主の要望によって変動するため、0か1かではなく、状況に応じて比重を変えるという考え方のほうが良いのかもしれない。

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