きっかけはシラン
僕は20代前半に事務機の営業販売業から植木屋、花屋、園芸屋など植物を扱う仕事に転職し、20数年植物に関わる仕事をして来た事がある。
植物には小学校の頃から興味がとかおばあちゃんが花を育てるのが好きだった…などと言う事は無く、むしろうちの家族は花には虫が付くから嫌だとか言うタイプの人間達ばかりで草花を愛でるとか言う文化を持たない家だと思う。。。
なので、植物を生業にしてる方々のプロフィールなどで植物歴年の数とか小学校からサボテンが好きで等と言う事は無いので凄いなぁとリスペクトしてます…ホントです。
かと言えば全く無縁でもなくもしかしたら潜在的に植物の仕事に関わるきっかけだったかも知れないと言う話を。。。
これはあくまでその当時そう感じたと言う話でコチラの主観であると申し添えておく。
小学校、一年生か二年生の頃だったか、ある日担任の教師が紫の花で緑のシュッとした葉っぱの野趣溢れる植物を持ってきて、
「この花の名前分かるかなぁ?分かる人居る?」
…と半ば煽り気味に子供には中々の高度な質問をして来た事がある。
丁度桜も散りツツジの花の蜜をチュウチュ吸っててそれも飽きて来た時季だったとうっすら覚えてる。
当時から何も考えてない僕はさっさとこのやり取りを終わらせたく
「知らぁーん」
と言ったら
「よく知ってたわねぇ!この花はシランって言います」
と、ドヤ顔(に見えた)で返され、クラスメイト達に
「○○ちゃん詳しいねー」
などと言われ何の罠だ?知らないのに知ってる?意味が分からない?と混乱したと言う話。
そう、その花は紫の蘭と書きシランだったのだ…老獪なベテラン教師は僕みたいな普段から屁理屈をこねる口の利き方を知らない無礼なクソガキの習性をも逆手に取りシランと言う花を知って貰おうと目論見僕はまんまと担がれた訳だ。。。
それ以来何故かその教師(お寺の坊守さんだった)に度々招かれ寺の草花や生き物の話をしたりして…などのエピソードは一度しか無いのだが、そんな不思議な敗北感を味わって以来草花に興味を持つ様になったのは事実かもしれないのだ。
多分その教師は草花好きを増やしたくてどうやってゲームにしか興味の無くそこら辺の草花など傘で蹴散らす様なクソガキ共に啓蒙しようか考えてたのかもしれない。
否、何も考えてなかった気もする…もしかしたら鉄板ネタだったのかも知れない。。。
いずれにせよカブトムシ以外の草花に興味があり生物の成績だけ妙に優秀で、勉強さえすれば頭良いのにねぇ等と言われる子供が仕上がって未だにサボテン中心にウキウキしてる訳です。
その教師は後に教頭だったか校長にまでなった傑物なので矢張り上手く担がされたけどそのおかげで人生に楽しみが一つ増えたのだから感謝はしてます。
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