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広報的買い物の価値があまりないスポンサープランで突き進むことにしました

TechRAMEN 2024 Conference 実行委員長の西原@tomio2480です.標題のとおり,我々の用意したスポンサープランが(最近の)一般的なものからは少し逸れたつくりになっているので,その意図の紹介記事を書きました.

TechRAMEN 2024 Conference のスポンサープラン詳細についてはこちらをご覧ください.また,以下リンク先にもあるとおり,こちらは,世間一般でいうところの個人スポンサー枠です.

もし,法人さまで我々の応援をお考えの方は,TechRAMEN 2024 Conference の公式メールアドレスまでご連絡ください.ただし,この記事で紹介するとおり,いわゆるスポンサーメリットはほぼゼロです.あらかじめご了承ください.

応援団の力で何をする……?

先に,この応援団たるスポンサーを集めて,一体何をしようとしているのかを説明しておきます.

現在,残り一ヶ月を切ろうとしている中,ロジ周りも着々と準備が進んでいます.特にお金の影響する部分は,会場設備,運営備品,飲食です.みなさんからいただく参加費で最低限の基本部分を賄う形にしたため,企業スポンサーをきちんと集めるカンファレンスに比べて,チケットや懇親会代が割高に感じられる方もいらっしゃるかと思います.チケットの販売はもう少しあとになりますが,金額は確定しています.気になる方は,チケットショップからご覧いただけます.

ここで,我々のねらいである「学生への機会提供」に陰りが見えてきてしまいました.これからを担う若手の代表格である学生に費用負担を同じように強いるのは,かつてたくさんの先輩方から目をかけていただき,支援してもらった身としては苦しい選択です.

我々はカンファレンスを運営する立場だからこそできる恩送りを実現したく,みなさまのお力もお借りして,機会を作れないかと検討しました.その結果「ラーメン応援団」という個人スポンサー的な枠組みを作ることに着地をいたしました.

しかし,困ったことに我々(とくにぼく)はヘンなこだわりが強く,一般を逸脱した判断をしました.他の技術カンファレンスとは異なり,スポンサーメリットを作り出すなど,企業スポンサーを集めるための努力をしないことにしました.

わかりやすいメリットのないスポンサープランです

今回我々が目指すのはカンファレンスサイドとスポンサーサイドの Win-Win という考え方の放棄です.勝ちとか一回忘れませんか?という提案です.

端的に言うと,我々が提供できるスポンサーメリットはありません.

そう思っていただくのが最も現実に即した理解だと思います.参加者へのリーチや情報の提供,ブース展示,スポンサーセッションなど,いわゆるスポンサーメリットのほぼ全てがありません.ですから,いわゆる広報的買い物の価値はこのスポンサープランにはなかろうかと思います.

純粋に旭川で技術カンファレンスをやる我々を応援したい!スポンサーメリットが与えられなくても別にいい!会があることがすばらしい!と本当の応援だけでもいいぞ,という方でなければスポンサーする理由は見つからないと思います.この我々のわがままをお許しください.

この結論に達した経緯を書いておきます.

企業スポンサーという生き残り戦略と文化

通常,技術カンファレンスのスポンサーというと,ロゴの掲出や参加者へのノベルティ配布,ブース展示やスポンサーセッションといった露出施策に効くような特典であったり,採用やマーケティングのために参加者の個人情報が提供されたりと,企業の営利活動等の観点から見た,お得なスポンサーメリットが用意されるものです.もちろん個人スポンサーにもメリットは用意されていますが,企業ほど大きな効果を置いているイベントは少ないかと思われます.ここでは主に企業スポンサーに着目します.

実際,いわゆる Win-Win を目指すと,イベントサイドは活動資金が手に入る,企業サイドは宣伝や人へのアプローチができるといった,わかりやすい構図に落とし込むのが一般的かなと思います.実際,それがうまくいっているから,今の形のスポンサープランがあるのでしょう.

先立つものがなければ,やりたい人の懐から引き出して実現することになるわけですから,このスポンサーという仕組みは画期的な解決方法です.ここ 20 年の中で技術系のコミュニティやカンファレンスはその公共性が少しづつ認められ,個人負担ではなく企業や個人がスポンサーして,みんなで支えようという空気になってきたと認識しています.これ自体はすばらしいことで,美しい支え合いの構図はこれからも続いてほしいなと思っています.

技術カンファレンスは誰の手に?

残念なことに,このお互いに負担を持つエコシステムを,ツールとしてしか見ていない人もいます.SNS 全盛のこの時代で,持ちつ持たれつの関係の中に,持ちも持たれもしない人の可視化が進んできました.もちろん可視化されにくいものの中に,企業側の努力や,その逆の狼藉もなくはないので,見えているものが全てではありません.

会社の中での自分の役割の一つとして,会社がコミュニティのよき一員であるよう,よくない振る舞いをしないよう意見することも重要だと,改めて考えさせられました.これらの空気感を守りながらスポンサーを名乗り出てくださっている企業は本当に貴重な存在であることは言うまでもありません.

市井に技術系のコミュニティやカンファレンスが広まった,と考えると喜ばしいことなのですが,こういった企業活動と棲み分けて暮らしていくために,様々な労力がかけられることになりました.例えば,行動規範やポリシーを制定することは,正面からの対策としてやりやすいものになります.

しかし,これも完全ではありません.禁止しないし,望ましくないとも言えないが,多くの参加者に疎まれる振る舞いもあるわけです.これはどうしようもありません.費用対効果の名の元に,技術を嗜みたい人々の空間に我慢と妥協を生み出したいとは思えませんでした.

小さな地域ITコミュニティの限界と挑戦

我々はそこまでのスポンサーメリットを用意し,コミュニティやカンファレンスの空気感を積極的に維持管理できるほどの人的リソースを持っていません.我々は,スポンサーが現れなくともやりきるというキマった状態で,多少の赤字が出ようとも自分で負担し,上川地区でこれだけの規模の技術カンファレンスをやりきることの価値を信じているのです.

TechRAMEN 2024 Conference 開催宣言の記事でも紹介しましたが,このカンファレンスのねらいは「最前線を征く IT エンジニアの知見を旭川に注ぐ」ことです.そのためにトークセッションやハンズオン,いわゆるカンファレンス廊下と呼ばれる交流機会を作ることに尽力しています.

不思議な立て付けで恐縮ですが,我々の会を応援してくださるみなさまのご支援をお待ちしております.どうぞよろしくお願い申し上げます.

⇩個人での応援はこちらからお願いします!🙏⇩


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