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お客さん扱い

学生のころ誰かと仲良くなりたいと思っても、距離の詰め方が全く分かりませんでした。

トミーです。

行事や授業をきっかけに話す機会があれば、ほんの少し頑張ってみるのですが。

いかんせんお客さん扱いになる。

なんとなく分かるんです。
優しい子達は社交辞令をしてくれます
被害妄想と言われるでしょうが、なんとなく壁を感じるのです。

だって、ずっと苗字呼びなんだもの。

○○さん』と呼ばれるたび、私はアウェイなんだなと思っていました。
いや、自ら『トミーって呼んで♪』と、ライトに言えば良かったのですが。
そういう一歩を踏み出せないのが、三軍の残念なところです。

『あぁ、嫌われてるんかな。』

先に、この思考が芽生えてしまい、びびり散らかしてしまうのです。
残念。

そんな私は、超絶受け身スタイルでいるしかありません。運に頼るのみ。
たまーに、一人行動している謎に目立つ子に、面白がって話しかけられるのです。
変わっている子にロックオンされがちなのかもしれません。とてもありがたいけど。
三軍ながら、ぼっちになったことはないから。



大人になって、友達関係にはとても恵まれているなと思います。

学生時代の反省を生かし、少しずつ接し方を変えたからかもしれません。

私の友達関係は、男女ともに対等であることが特徴です。お互いに尊重し、ちょうど良い距離感を保つ。でも、信頼関係はあるから、深い話しが出来る。勿論おふざけも出来る。
年齢や環境が変わろうと、心地よい感覚はずっと続きます。

学生時代には、確かに苦労したけれども。
勇気を出せば、あら不思議。
空気が砕け、良い関係性が続くのです。
最初のハードルさえ飛び越えたら、そこまで頑張らなくとも、受け入れてもらえる優しい世界。

あぁ、友達っていいなぁ。


周りがたまたま寛大な人間ばかりだった説もありますが、私の中で友達の定義や価値みたいなものが完成しました。

そして、誰しもが友達に対して、同じことを思っていると勘違い暴走が始まります。




『○○ちゃんは美人でさぁ』
『○○ちゃんはモテてさぁ』
『○○ちゃんは芸能活動してて』
『○○くんは商社マンで』
『○○くんは広告代理店で』
『○○くんは美容師で』

社会人になって数年がたつと、私の友達らは交友関係を広げていきました。
社会人あるあるですね。
そこで、よく聞いていたワードが上記です。

友達の世界が広がることは良いことだし、キラキラした顔で楽しそうに話す姿も微笑ましいなと思っていました。

今まで知らなかったこと、経験出来なかったこと、そんなワクワクした感覚に友達は夢中です。嬉しそうに、交友関係の話を私にします。

ただ、少しザワザワした気持ちもありました。

その人たちは、あなたのこと大事にしてくれるの?

会ったこともない方を、悪く言うのは失礼だし、友達の行動を否定したくなかったのですが。

友達は見た目が美しく、コミュニケーション能力があり、男ウケ抜群、大手企業で働く女子でした。だからこそ、誰にでも褒められる人間です。

隣に置くと鼻高々だろう。

そして、友達が関係を広げていく世界は、いわばハイスペック一軍。

ステイタスしか見ていない。

それはそれで、誰も傷付いていないのだから良いのでしょう。本人たちはご満悦なのだから。
マルチや宗教など、心配になる関係でもないし。

しかし、私のザワザワはおさまりません。

アクセサリー感覚だな、お互い。


もし、困ったとき
もし、悩んだとき
もし、落ち込んだとき

その人たちは、何をしてくれる?


私の中の、友達の定義が警報を鳴らします。

あなたの中身を見てほしい。

そんな風に思うものの、友達の中身をあえて見せないポリシーや、中身を見ようとしない人間を変えることは無謀だし、お節介です。
そして、過去を思い出します。

お客さん扱いじゃん。それ。

勘違いかもしれないし、申し訳ないけど、そんな気持ちでいっぱいになりました。




アラフォーになった現在。
結婚もしたので、友達より家庭優先の生活になりました。
友達と遊ぶことは、それなりにあるけど。
誘ってくれるこがチラホラいて、本当に幸せだなと思います。

そして、自分が持っていた友達に対する価値観や感覚は、正解だったのだろうと思うのです。

一方、例の友達はどうだろう。
今も、ステイタスにこだわる人間関係を作り続けています。地位や名誉があり、憧れる対象と時間を共にすることで、自身の価値が高まるという思考なのでしょう。

しかし、私は批判も助言もしません。
友達が楽しそうにしているならば、何も問題がないので。止めやしません。

何より、私なんかから否定されると、逆鱗に触れるだろうという思いが強かったのです。
受け入れてもらえないだろうと。

そして、ふと気付くのです。

彼女をお客さん扱いしてるわ、私。


もし、困ったとき
もし、悩んだとき
もし、落ち込んだとき

結局、私は何もしてあげないのです。
突っぱねられるのが怖くて。
なんて、冷たいんだ。
そして、保身に走ります。

友達の価値観が違うから仕方ない。

対等、尊重、信頼。
そのあたりを、自分の中だけで大事にしようと思います。
そして、幸福度の高い人間関係を維持したいです。

どうか、友達も幸せになってほしい。
自らの価値観で。





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