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都民ファースト版 「東京都のロードマップ案」を小池知事に提言

 こんにちは、都民ファーストの会 新型コロナウイルス感染症対策 特別広報チームです。本日、社会経済活動の再開に向けた「東京都のロードマップ案」を小池知事に提出しました。資料の全文は以下からダウンロードできますが、本記事では主なポイントを解説します。

ロードマップ策定の背景・考え方

 東京都内のコロナ感染流行状況は未だに予断を許しませんが、都民一人ひとりの行動変容と事業者の協力によって直近の感染者数は減少局面に入っています。都民ファーストの会としては、新型コロナウイルス感染症から都民の健康を守りながら、同時に経済活動の段階的な再開を目指すために、今回ロードマップを提案しました。

 現在、各都道府県で解除基準を独自に定める動きが広がっています。わたしたちは今回のロードマップ策定にあたって、国内の事例に加えて25ヶ国ほどの海外事例を調査し、専門家の方々からもご意見を伺いました。諸外国でもロックダウンの解除に向けた議論が進んでいますが、国内でも示されている「解除基準」に加えて「段階的な解除」を定めている国が多くあります。東京は昼間人口1600万人に上る世界でも有数の過密都市であり、今回の私たちのロードマップ案でも「解除基準」と「段階的な解除」の2つを柱として構成しました。

ロードマップ考え方

3つの解除基準を設定

 まず、解除基準の選定にあたって諸外国の事例を調査したところ、主に3種類の解除基準を設定していました。ポイントは、①新規感染者数や死者数が減少していること、②医療体制が確保できていること、そして、③PCR検査などを通じて市中の感染状況が把握できていることです。

解除基準

 こうした事例や専門家の方々のご意見も踏まえた上で、私たちとしては「1. 市中の新規感染者数」「2. コロナ対応病床の稼働率」「3. 人工呼吸器の使用率」の3つの解除基準を最終的に選定しました。選定にあたって特に重視したのは「医療崩壊を起こさない」という視点です。 医療体制を評価する上では、コロナ対応病床数の稼働率だけでなく、ICU病床数、医療従事者数、人工呼吸器使用数など、さまざまな指標を検討する必要があります。私たちとしては、人工呼吸器が十分に確保できているかどうかが人命に直結するという観点から、3つ目の基準として設定しました。

東京の解除基準

 現在、東京都では「2. コロナ対応病床の稼働率」と「3. 人工呼吸器の使用率」はリアルタイムで把握できていませんが、こちらは早急に把握できるような体制構築を求めています。

段階的な解除のロードマップ

 次に、もう一つの柱となる「段階的な解除」についても諸外国の事例を調査しました。諸外国に共通しているのは「感染拡大リスクの低い施設・行動から段階的に解除していく」という考え方です。以下のように、公園利用・屋外スポーツ・学校などは早期に解除している国が多い一方で、飲食店や大規模イベントなどは解除が遅くなる傾向があります。

段階分け1

段階分け2

 こうした事例を分析した上で、私たちとしては以下のように5段階に分けたロードマップ案を策定しました。

東京都のロードマップ案

 このロードマップ案では、東京における現在の行動制限・休業要請は「警戒レベル4」に該当します。一方で、新規感染者数は減少局面にあり、もしコロナ対応病床の稼働率や人工呼吸器の使用率も低下していることが確認できれば、今後「警戒レベル3」もしくは「警戒レベル2」にまで緩和できる可能性があります。仮に「警戒レベル3」に移行した場合は、学校の部分的な再開や、屋外スポーツが可能となり、飲食店は夜12時まで営業が可能としています。

 今回の案では各国の事例に基づいて各施設・行動の感染拡大リスクを定めていますが、本来はクラスター班が収集した感染経路データに基づいて、各施設や行動のリスクを評価して最終的に段階分けを確定させるべきです。この感染経路のデータはなるべく早く公開するように関係各所に求めており、データ公開後にさらに詳細な段階分けやガイドラインの策定に入りたいと考えています。

今後の検討項目

 今回のロードマップ策定に合わせて、東京都として早急に検討が必要だと考えている以下の項目についても知事に提言しました。

①クラスター班の収集した感染経路データの公開と、データに基づいた各社会活動や施設のリスク評価

②コロナ対応病院における医療物資不足率の把握と、物資を継続的に供給する体制の構築

抗体検査・超過死亡数の週単位のデータ公開・下水調査などの検討

④第一波の総括:コロナ発生から現在にいたる感染症対策の課題の検証

⑤スマホアプリとBluetoothを活用したデジタルコンタクトトレーシングの早期実装

⑥市中感染率を図るためのインフルエンザに準じた定点観測システムの確立

⑦緊急事態宣言後の特措法24条適用のあり方と特措法45条に代わる新規条例の検討

⑧風営法に基づくリスクの高い施設における感染抑制策の検討

 今回の第一波が収束したとしても、第二波・第三波が来る可能性は十分にあります。私たち都民ファーストの会としては、第二波に備えて上記のような中長期的な体制の転換を、議会から引き続き提案していきます。

ご意見・ご要望はこちら

 都民ファーストの会では皆様からのお声を大事にしております。今回のロードマップに対する内容も含めて、ご意見・ご要望が御座いましたらぜひ下記のフォームからご記入ください。

 合わせて、質問には「都民ファーストの会YouTubeチャンネル」で毎回回答させていただいております。ぜひご覧ください。