ネットの誹謗中傷について思うこと。

つい先日、とあるYouTuberが未成年への性犯罪をしたとして取り上げられ炎上している。

そしてそれに関して私の好きなYouTuberが、
「顔も名前も隠して安全地帯から人を傷つけ、そして自分を正義だとおもっている人はネットなんてするな」
というような趣旨のsnsを投稿し、それがまた炎上した。

炎上したコメント欄をみると、ちらほらと同意するものがあるものの、ほとんどのコメントは
「悪をネットで裁いて何が悪い」
「ネットを通じてお金をもらっている人は相応の行いをすべき、そして悪いことをしたら言われるのが当然」
というような内容だった。

そしてまたYouTuberを支持するようなリプライには、それをおかしいと言わんばかりのコメントが溢れていた。

このように様々な意見がある中で、自分の見解を整理したくてnoteを書いている。

まず、私の中で譲れない大前提としてあるのは
・性犯罪は許されない
ということ。

加害者はどんな人にしろ必ず罪を償ってほしいと思うし、もう二度とさせないようなリハビリが必要であると思っている。

特に未成年への犯罪行為は極めて下劣であり、重く捉えてもらいたい。

そして2つ目に
・悪であろうとなんだろうと、絶対に大人数で一人の人を叩いてはいけない
ということだ。
コメントは一人で書いてるなんて通用しない、結果的に大人数でよってたかったら当人にとっては同じことだ。

この国は法制度を採用している。
少なくとも罪にはそれに見合った罰が法律によって課せられることになっている。(この罰が適当であるか否かはここの論点ではないので飛ばす)
しかし、そこに「罪人から人権を剥奪する」や「罪人に対する罪は無効」なんてことは書かれていない。
皆が罪の基準としている(倫理観の柱である、もしくは正義の要である)法律で、「罪人への誹謗中傷」は許されていないのだ。

人間は弱い生き物で、誰かをあげつらうことで自身の正当性を証明したがる。
悪を叩くことで、自分は真っ当な人間なんだと思いたがる。
マジョリティーが賛成する方に流れて安心感を得たがる、自分のエゴの為に他人を傷つける事を厭わない動物である。

私は、本来私達はみんな自分勝手でわがままなものであると思っている。
それでも、社会を成り立たせるために、自分の仲間を多く作る為に社会性を発揮している。
特に日本は縦社会、多数派正義の傾向が強いせいで、
順列を作ってしまう意識が定着しているように思う。

「あの子よりは私の方がまし」
「この中で一番だめなのはアイツ」

そんなふうにして誰かを見下さないと安心しないのだ。
そして、より安心感を得るために周りに自分の意見を肯定する要素を増やす。

「あの子この前だめだったんだってー」
「あいつの仕事あれらしいぞ」

そして皆から同意を得て安心感を得ているのだ。

しかし実はこの人達は気づいていないことがある。
それは、人間に優劣など存在しないことだ。

ある一定の分野では順位が決められたりする。
それはテストの点数であったり、スポーツだったりする。
しかし、それは人間の良し悪しをはかっているわけではない。

そもそもいい人間とはどういった人間なのだろうか?
犯罪をしない人間?お金をいっぱい持っている人間?
結婚してる人間?友達がいっぱいいる人間?

どこかの漫画の一コマを思い出す。
「誰かの正義は他の誰かにとっては悪」なのだと。

そして私は炎上していたコメント欄を見て思った。

正義と悪がここにいるのではない。

自分が正義だと思っている人と他人を悪にしたい人がいるのだと。

そして私は気づいた。

私も誹謗中傷をしている人を悪にしていると。
誹謗中傷をしている人を、必死に人をあげつらって可哀想な人たちだと思っていたと。

私も正義だと思う呪縛にとらわれていた。

この呪縛は中々に強力。
でも、私は辛うじて大人数で一人を攻めることへの嫌悪感をもっていた。
数の暴力はよくない。それを一身に受けた経験があるからこその気持ちなのかもしれない。

沢山自分の気持ちを綴った。
お陰で自分の心の整理がついたような気がする。

私は、ネットで誹謗中傷をしている人、そして自分にいいたい。

正義と悪は存在しない。
誰かを下げて安心するのはもうやめよう。
一人ひとり人生があって、違う考え方がある。
あなたはあなたに自信をもって、でも自分を疑うことも忘れないでほしい。
きっとその積み重ねがさらに自信に繋がってくるし、視界が広がってくる。
どうしても許せないことがあるなら、その人に直接言わずその人と関係ない人に自分の気持ちを言ってスッキリしよう。
信頼できる人が悪口以外の解決策を提示してくれるならなおさら。
人に対して思うことがあるなら一回深呼吸して何故そんな気持ちになるのか考えてほしい。
それかnoteに書くのもいいね。
共感が欲しいならsnsで同じ趣味の人を探そう。
そして、全ての人の良いところをその人に伝えよう。
多分その人は喜んでくれる。
そうやって反射的に相手の悪いことを考えることを辞めるリハビリをしよう。

誹謗中傷はきっと収まらない。
でもいつか、それよりもっと詰まる事にみんなが出会うように祈っている。

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