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その“伝え手“からものを買う

ふと異文化に触れたくなり、竹田 ダニエルさんの『Z世代的価値観』を読み始めた。

新たな視点ばかりで読み進める手が止まらないのだけど、中でも特に衝撃的だったのは「dupe」という言葉だ。「dupe」とは、「模倣」や「写し」などを意味する「dupelicate」からきている造語で、アメリカの若者間(「Z世代」が幅広すぎて違和感があるので、ここでは若者と記載する)でトレンドになっている正規品に似た低価格商品のこと。本書によるとTikTokのハッシュタグ #dupe では46億回再生を超えるそう。その後、Instagramのハッシュタグ #dupe を調べてみると33.6万件の投稿がされていて、一大ムーブメントになっている様子を肌で感じた。

アメリカでは、節約文化があまりないため、消費文化が主流。そんな中、若者たちは「ホンモノ」を知らないが故に「ホンモノ」を買うことに価値を感じていない。いかに低価格で自分が得をした気分になれるかが重要なんだそう。「買いものは投票」という価値観は共通してあるものの、より自分がスマートに買いものをしたかというステータスに近いのかもしれない。

確かに、お金を上手くやりくりしていい買いものができると誰かに言いたくなる気持ちもわかる。自分が20歳前後の頃を振り返ってみてもわからなくはない。でも、どちらかというと「ホンモノ」への憧れを抱きながらもコスパのいい代替品を手に取っていた感覚の方が近い。だから本書で語られていた「dupe」の概念自体が新しくて衝撃を受けたのだ。

日本の若者の間でもそういうトレンドはあるのかもしれないけど、(私の周りにそういう人やブランドが多いからかもしれないけれど)過剰消費に反するブランドを多く見てきたし、そういうブランドに共感する若い世代の友人もいるから余計に衝撃的だった。

でも、自分がそういうブランドに共感できるのは、自身がある程度年齢を重ねてきて、好きなものを好きなタイミングで買えるようになったことも大きいのかもしれない。だから、dupe的な価値観の背景にどんな思いがあるのかは見続けていきたいし、(一人でできることは少ないかもしれないけれど)アクションも考えていきたい。

☕️

ものを買う時、最近は伝え手が決め手になることが増えた。

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