司法試験に必要な書籍(論文編)
今回は司法試験に必要な書籍というテーマで書いていこうと思います。
私は司法試験に必要な書籍を大きく分けると、インプット用とアウトプット用に分けられると思います。以下それぞれについて解説していきます。
1 インプット
インプットのための書籍は以下の3種類に分けられます
①コアとなる基本書
②辞書となる基本書
③網羅性のある演習書
④判例集
①コアとなる基本書
コアとなる基本書は、受験生活の中で何度も読むことになるため、分厚すぎず薄すぎずちょうどよい分量のものがおすすめです。
リーガルクエストや基本○○法など、受験生シェアが高いものからお気に入りのものをピックアップすればよいでしょう。
なお、コアとなる基本書は購入必須だと思います。
②辞書となる基本書
コアとなる基本書を読んだだけですべての事項を理解できれば、②の辞書となる基本書は不要です。ただ、ほとんどの人は、コアとなる基本書を読んでいて「この部分難しくてわからない」という部分が出てきます。
そこで②辞書となる基本書の登場です。
特に論文頻出分野は「わからない」で済ませることはできないため、何とかして理解する必要があります。
そのため、コアとなる基本書で理解できない場合は、他の書籍にあたって理解できるまで勉強することになります。
このような役割からすると、辞書となる基本書は1冊に限られません。とにかく理解できるまで様々な書籍を読むことになります。
この分からないことを調べるという作業は勉強の基本であるため、非常に重要です。
なお、上記のような性質上、辞書となる基本書は1冊に限られませんので、購入必須とまでは言えないでしょう。様々な書籍を図書館などで見る中で、お気に入りが見つかれば購入するくらいでよいと思います。
③網羅性のある演習書
基本書の文章を読むだけで論点を理解できればよいのですが、それはなかなか難しいことなので、事例の形で論点のインプットをしていくことも必要です。
事例問題を解くと、自分がわかってない部分がピンポイントで浮き彫りになるため、その部分を①や②の書籍を使って復習し理解すれば穴のないインプットが可能となります。
網羅性のある演習書は解答例があるものを選ぶとよいでしょう。ただ、網羅性があって解答例もついている演習書が市販であるかというと難しいので、ここは予備校の講座(アガルートなら重問)でいいかもしれません。
網羅性のある演習書は何度も取り組むことになるため、購入必須だと思います。
④判例集
法律の学習の半分は判例学習といっても大げさではないので、やはり判例集は必要です。
基本書にも判例が載っていることはあるのですが、はやり事実・判旨・当該判例についての解説はあった方がよいので、百選などの判例集は持っておくとよいでしょう。
2 アウトプット
ここからはアウトプットに必要な書籍です。インプットの部分で書いた網羅性のある演習書はアウトプットも兼ねますが、以下ではそれ以外のものについて書いていきます。
①演習書
司法試験を突破するためには、「初見の問題から論点を抽出する能力」が必要です。
上で書いた網羅性のある演習書を繰り返し解くことは重要で、最優先事項であることは言うまでもないのですが、そればかりやっていると「初見の問題から論点を抽出する能力」が養われません。
そのため、ある程度網羅性のある演習書の周回が終わったあとは、様々な演習書を使って、初見の問題でこれまでしてきたインプットの成果が出せるかを試すことがおすすめです(網羅性のある演習書の周回を辞めてよいわけではない)。
ここでのテーマは沢山初見の問題を解くことなので、演習書の購入は必須ではありません。図書館などで片っ端から演習書に取り組んで論点が拾えたかをチェックして次々進めることでよいでしょう。
実際に答案を書く作業は不要ですし、当該演習書の解説に深入りすることも不要です。
②過去問集
過去問集については、解説、解答例が付いたものがおすすめです。
過去問については、完全解を知ることよりも受験生相場観を把握することの方が重要ですので、受験生の再現答案が載っているようなものがあれば、それがお勧めです。
まとめ
ここまで見てきたとおり、司法試験突破のためにはたくさんの書籍を読む必要があります。
受験の世界では「1冊を完璧にしよう」と言われることがありますが、1冊を完璧にするためには他の書籍を読まないといけないことが大半であるため、「1冊を完璧にしよう」=書籍は1冊でOKという意味では捉えない方がよいと思っています。
何かの参考になれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
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