DAOに必要な【明確化と不明確化】

DAOに必要なのは、
・不明確さを利用して利得を得られてしまうシステムを、透明性をきっかけに変えていくこと
・金銭的価値だけではで測れないはずの、本来不明確な人の価値や行動の価値も、生きるためには金銭的価値がある行動を中心に評価される

この思考から、いかに新しい思考への変化を信じられるか
にかかっているのではないでしょうか。

”価値とは金銭的価値” を至上とする便利さ

DAOについて考えれば考えるほど、これまでの価値観や価値判断に頼っているうちは本当の意味で自律分散的にDAOが稼働することは難しいと思えてきます。

既存の価値基準として最もわかりやすい『お金』という価値基準で考えた時、既存の組織形態よりもDAO組織で行った方が経済合理性が優れてる領域が、ほぼ皆無である・・・という結論に至ってしまう。

有名な話ではゲーム理論でお馴染みの
囚人のジレンマ】

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9A%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E

引用元 wikipedia


が常に起こっている状態で、全員がweb3に向かって本気で行動すれば、全員が得られる取り分が増えることはわかっていても、一人の心変わりや別行動によって、『別行動した人間が得をする』という環境を解決できていない。
解決する方法が、まだ見出されていない。


これは、既存の価値基準で考えているうちは、解決方法は現状ない・・・
と考えて進んだ方が、何か道があるのではないか・・・

約2年、考え続けてきました。


不明確だったモノを明確に

そもそもweb3が台頭してきた一番の理由に、現在の社会構造へのカウンターカルチャーがあると思っています。
いわゆる『中央集権的』に動いている社会構造。

資本主義を至上とした考え方に基づけば、資産を持つものに大きな決定権が与えられ、一度そのポジションを得たモノが圧倒的優位性を持って社会で活動し続けられてしまう社会構造に対して、

”それは本当に健全と言えるのか”

という疑問を原動力として、ここまで発展してきた節が感じられます。

もちろん、この発展の背景には、たくさんの資産家たちによる、経済活動が大きく貢献したのは間違いないとも思っていますが、やはりweb3が大きく成長し、現在に至った背景には、経済合理性に負けない『思想』が存在していたと思っています。

その思想には、資産を持つものがルール決定できてしまう主だった経済活動の中に、不透明な部分が多く存在している。
そこに対し、透明性を上げていくことで、資産を持つものだけが優位に活動できる環境を緩和し、今よりも公平性が高まる仕組みに社会を変えていこう

という思想です。


現時点においても
・そんな世の中になるわけがない
・そんなの不可能だ
・そんな世の中になったら、みんなが不幸になる
・誰が得するの?
・現実的じゃない

そんな意見が大半です。

まぁ、みんな大人なので
『そんな世の中になったらいいね』

と優しく励ましてくれます。


人の価値や、行動の価値を決める判断基準って?

資産家優位な社会構造になっている仕組みは、意外と単純だと思ってます。
現在の社会では、資産を多く持つことが成功の証、といっても過言ではない社会構造です。

であるならば、大半の人が、少しでも多く資産を獲得するための活動をする

そして、その際には常に資産を多く獲得する人間と、そうでない人間が評価・判断・査定されているわけです。


この時に当然、現時点での資産家の優位が働きます。

”高い評価を与えられたければ、まず私を稼がせなさい。そうすれば君も稼げる”

シンプルですが、結局これだと思っています。


この時に、『私を稼がせなさい』側の人が行っている経済活動が何なのか
となったときに、
『社会的価値がある活動』と『不必要な内輪の事情による活動』
が、複雑に絡み合っているような状態だと見えます。

・効率性よりも慣習
・組織への貢献度評価の曖昧さと不確実さ
・人事決定における要件の不透明さ
・与えられる権限と責任のアンバランスさ
・リスクとリターンのバランスを図る基準の曖昧さ

などなど、法律や規定や経済合理性を前提に、様々なビジネスが本来生み出している商品やサービスの生産活動とは関係ない部分に、大半のコストを費やしているのが現状です。

これは単純に
『責任は相手に押し付け、権利だけを多く獲得するのが経済合理的』

というのが、ビジネスだからだと思います。


既存の社会システムに存在する『不透明さの透明化』をテーマの一つに、web3というのは台頭してきたように見えますし、実際に透明化が進むことで効率性が高まる領域は、膨大に存在しているだろうと思います。

タイムリーな話題で言えば『ビッグモーター』がわかりやすいですよね。

正直、ほぼ全ての保険会社がやってると思いますし、それを前提に売り上げ計算してるはずなので、透明化したら全員が結構面倒だとは思いますが
※主観です


上記に挙げたような様々な【不透明さや不明瞭さ】が改善されることで、多くの無駄なコストやストレスを、『全ての活動する人たち』が少しずつ減らせる可能性を見せてくれてる。
それがブロックチェーン技術を活用した新たな社会構造にある・・・とまず考えます。


明確化しようとしている価値基準

本来、明確にすることで合理的に動くものが不明確になっていた反面、不明確なものを明確化している『価値基準』。

本来、人間の価値をいうのは色々な意味で曖昧なモノなのではないでしょうか。

・数学が得意
・絵が上手い
・IQが200
・お金100億円持ってる
・笑いのセンスが抜群
・料理が上手い


それぞれが持つ一部の特徴をみて、大抵の人が、その人物像について何かしらの評価判断を行い、優劣をつける習慣が身についていると思います。

しかし、これらの特徴に対し
『自分にとって価値がある人』

という基準で考えた時、全ての属性に対して1番と評価する人は、きっといるのではないでしょうか

・数学が得意(病弱で運動は超苦手)
・絵が上手い(言葉は喋れない)
・IQが200(詐欺で捕まり服役中)
・お金100億円持ってる(世界中から入国拒否されている王様)
・笑いのセンスが抜群(借金500万円で愛妻家)
・料理が上手い(専業主婦で社会人経験少ない)


情報が増えると、判断基準も変わっていくと思います。


・数学が得意(病弱で運動は超苦手)
(彼の国では数学者は非国民とされている)

・絵が上手い(言葉は喋れない)
(絵を愛する村の人が彼女の暮らしを支えてきる)

・IQが200(詐欺で捕まり服役中)
(過激な軍事国家で軍師として一生を過ごす予定)

・お金100億円持ってる(世界中から入国拒否されている王様)
(内政は荒れ、いつクーデターが起こってもおかしくない)

・笑いのセンスが抜群(借金500万円で愛妻家)
(笑いが絶えない日常と、笑いで人気出る可能性あり)

・料理が上手い(専業主婦で社会人経験少ない)
(愛妻家の旦那と明るい子どもとの日常)


本来、
不明確なはずの ”人の価値””価値のある行為・行動”
について、基準を設けて価値判断してしまうのは、これまでの合理性で考えたら正解だったのかもしれません。

そのおかげで、現代が平和で快適な環境を築いているのは間違いないでしょう。

でも、もっと良くできる可能性はあるはずで、やはり人間という存在や、その人間の行為や行動に関して、必要以上に既存の価値基準を当てはめていくのには限界があるのではないか・・・と感じ始めています。

それぞれが思う、それぞれの価値基準や価値判断が、もっと自由に設定できる社会・・・。それを実現することが、より快適な日常を多くの人が手にいれるために必要な気がします。

今までは、それを行おうとしても既存の価値基準である
『資産を多く獲得する』
を無視できない社会構造でした。
それを改善する方法も常に模索されながら、結局はゲーム理論よろしく上手くワークしてこなかったように思います。

そこに現れたのがブロックチェーンであり、ブロックチェーンを活用することによって実現可能と思われる【DAO】という組織概念です。


全員が正直になれば、効率化は最大値になる

これまで不明確で不明瞭だった部分が明確化+透明化し、無理やり基準を設けて明確化していた価値基準を、不明確で不明瞭なものとして受け入れる。

そして、それぞれが正直に生きる勇気を持てば、理想は実現しうる
と思っています。

ただ、現代社会で生きている全ての人には、この思考で活動することが不可能なことも理解しているつもりです。

既存の価値基準をもとに生きた人間には、上記のような思考での活動は不可能でしょう。
しかし、100年後に生まれ、既存の価値基準での生き方と、新しい価値基準の両方を選べる環境で生まれた人たちはどうでしょうか。

自律分散的な生き方を『選ぶことができる』のが当たり前の子孫たちが、どんな生き方を選ぶのかはわかりませんが、生き方の選択肢を増やすことこそ、本当の意味での自由を増やす大事な要素だと考え、未来へのバトンを繋ぎたいと思います。


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