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ボカロの演出を考える

こんにちは。tomです。

僕は人の演奏、歌が好きです。人にしか表現できない何かを持っている曲や歌が大好きです。

だから僕が作曲を始めたとき、「人に演奏してもらいたい。人に歌って欲しい」という考えがずっと念頭にありました。

その考えは今も変わらないのですが、最近、ボカロについて少し考え方を改めました。そんな内容を語ってみようと思います。

完全に個人の主観です。こういう考え方の人もいるんだ、程度に読んで頂ければと思います。

ちなみにボカロ(ボーカロイド)はYAMAHAの製品名称です。この記事では、世の中に出ているボーカルソフトウェア音源全体の話をしようと思います。(僕はボカロを持ってません…)

ボカロが苦手だった

好きな方がたくさんいることは知ってますし、世の中で認知された曲がたくさんあることも知っています。

こんなことを言うと怒られるかもしれないですが、僕はずっとボカロが苦手でした。しかし何が苦手なのかあまり考えず、ただ避けていた気がします。

でも、先日考え方を改めました。

ボカロ曲のイベントが先日あったのですが、それを聴いてもボカロが全く気にならなかったのです。

色んな曲がありました。

アップテンポな曲、ゆったりとした曲、そんな曲たちを聴きながら、何となく自分が何に苦手意識を持っていたのか分かってきました。

つまり、最近の流行りのボカロ曲の曲調が苦手だったのです。ボカロが苦手なのではない、ということに気がついたのです。

もしかしたら、ボカロは自分の曲をよりよいものにするために必要かもしれない。

そう考えてみると、ボカロはとても僕に合った良いものなのではと思えてくるようになりました。

最近のボカロの発展

最近のボカロ(ボーカルソフトウェア音源)は発展が凄いです。

手前味噌ですが、先日勉強のために耳コピした有名なラ・ミゼラブルの劇中曲です。(最後の方の耳コピのツメが甘くて心残りですが…)

Les Miserables - One Day More

使ったボーカルソフトウェア音源はSynthesizerV Saki AIとKevin AIです。一人二役で歌ってもらいました。最近の技術は凄いですね。ベタ打ちでこの歌はホントに凄いと思います。

試行錯誤するツール

作曲って、僕にとってはまだまだ試行錯誤してみないとどうなるか分からない、不思議な活動です。

その昔、何かを試すには人にお願いをして試すしかなかったと思います。オーケストラで何かを試そうと思うと、大勢の奏者を集めて実験するしかなかったと思います。つまり実戦経験を常に行えるプロが実験をたくさんできる環境にいたわけで、だからこそプロとアマチュアの差がとても大きかったのだと思います。

実戦経験という差は今も変わらないですが、今は何かを試したいときはソフトウェアで代用して試行錯誤ができます。オーケストラであってもフリーのソフトウェア音源もあります。奏者を集めなくてもある程度の試行錯誤ができる環境にいるわけです。

将棋の棋士がAIを使って研究することと同じことが音楽でもできつつある、ということになります。

デジタルだからこそ、新しい表現をたくさん試行錯誤することができます。そしてその結果を最終的に人が演奏して曲を完成させることもできます。

デジタルは、写真であれ、絵であれ、作曲であれ、試行錯誤に対するコストが非常に低い環境であることは間違いなさそうです。

まだまだ経験の浅い僕にとっては、コストの低さはとても助かります。

実写とアニメの違い

実写の映画とアニメの映画って何が違うでしょうか?

これは完全に個人的な考えなのですが僕は下記のように思っています。

実写:俳優の人生から出て来る演技、細かなニュアンス、偶然を楽しむもの。

アニメ:どんな描写も必ず作り手の意図があるもの。

僕は、歌い手とボカロの違いも同じなのではないかと思うようになりました。人の歌声には感情が宿る、いや正確には人の持つ何かが乗った歌声に聴衆は惹かれていると思っています。

ボーカルソフトウェア音源は、とてもプレーンです。安定していて、他楽器に合わせやすくて、聞こえやすいです。でも、どんなに人間っぽくてもまだ何かを持っているようには思えません。

上白糖と黒糖の違いと言ってもいいかもしれません。僕は黒糖が好きですが、どんな料理にも黒糖が合うとは言えません。どんな料理でも合う砂糖は上白糖だと思います。

つまり、ボーカルソフトウェア音源を使った場合、声が持つ情感を頼りにして曲を作ってはいけないのだと思います。違う方法を考える必要があります。ボーカルはあくまでプレーンなのですから。

先程耳コピした曲の原曲です。

人の歌声を魅力的に引き出す演出で作られた素晴らしい曲だと思います。

歌い手の個性を引き出すことを考える必要のある曲と、プレーンなボーカルソフトウェア音源に必然的な演出を考える必要がある曲は、それぞれに対して違うアプローチで、表現や演出方法を考え試行錯誤する必要があるのではないかと思います。

僕には両方を考えることがより相乗効果を生み出してくれるのでは、と思っています。

結論

ボーカルソフトウェア音源は、自分の作曲レベルを上げるためにも必要なのではないかと思うようになりました。

ボーカルソフトウェア音源は上白糖です。だからこそ、皆が惹き込まれているのかもしれません。僕も、必然的な演出を考える必要がある作り込まれた曲を作ってみたいと思うようになりました。

今後、ボカロ曲のイベントにも挑戦してみようと思います!



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