終わらない夜に
終わらない夜は永遠にわたしの代わり
今に縛られないように
時間の概念さえも超えていく
月明かりは木々を照らすのではなく
そこにある悲しみを照らしていて
浮き彫りにされた悲劇は
尻尾を巻いて逃げ出していく
こんな金曜日の夏の日に
空から眺めれば
全てがひとまとめにされるような世界で
わたしと君は出会い
そして引き離されていく
たった一人のマエストロ
指揮する世界は不協和音を奏で
統率はいつしか雑音へと切り替わっていく
わたしと君の物語
夜からはみ出て
太陽の下にさらされれば
あっという間に干からびて
カラカラの無機質な物体になる
大切にしていたものは
永遠に夜の中
終わらないあの世界で
月明かりの下で輝いていて
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