君に会いたい
描いた情熱はその先の彼方に飛んでいく
わたしの見たことのない空には
わたしが書き残したたくさんの絵が浮かんでいて
読み手のないそれらは雨に濡れて地面へと落ちていく
これで良かったなんて
これっぽっちも思っていない
だけど、こんなもんだよなって
どこか達観している
今夜は君に会いたいと心の底から思う
こんなに雨の降った日には
体の芯まですっかり濡れてしまうから
だけど、君からの着信を待っていても
スマホは鳴動することもなく
わたしは夜の闇に溶けていき
また呟くんだよ
こんなもんだよなって
達観したわたしは
こぼれ落ちる一粒の涙で
人間に戻り
君に会いたいと泣いて泣いて
結局会えない今夜
目を腫らしてベッドの奥底で
眠りにつくんだ
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