喪失

欲しいなんてそう思った時
なんで欲しいのかわからなくなる

いらないってそう思った時
今すぐにでも捨てたくなってしまう

そうやって
たくさんの人たちがわたしの元を去り
わたしは一人になりたくないと叫びながら
孤独を追い求めてしまう

地下街をぼんやりと歩き続け
そこにある孤独や絶望、倦怠や怠惰に包まれて
わたしの帰るところはどこにあるのかと
ネオンが輝く夜の街を通り過ぎた

そして行き着く答えは
わたしは何者にもなれない
凡人以下の凡人だということ

握手を差し伸べてくる君の手を払いのけた時
満足した笑みを浮かべたのは
わたしではなく君だった

そうやって誰かの描いたシナリオに
わたしの人生は導かれていく

求めれば失い
拒めば失っていく

喪失はいつまでもわたしを追いかけてくる
深夜2時の街は
眠っているのではなく
わたしを拒んでいるのだ

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