黒の中の白と灰の中の白。 「夜と霧」を読んで1回目。

母親にずっと勧められていたが一切読んでいなかったが慎泰俊さんのTJ radioを聴いて話題にあがっていたので数年越しに読んでみた。

結論として、友人が後遺症を伴う大怪我をしたり、旅をしたりして常々思っていた「生きているだけで丸儲け」という考え方が深まった。そして黒の中の白と肺の中の白。


人はここまで残虐のなれるのか、悪い集団の中にもいい人はいること、人間の極限状態での心理状態について書かれていた。読み始めたとき収容所に連れてこられてすぐに毒ガス室に連れて行かれてしまうのか否かの選別や極度に悪い労働環境、衛生環境、食事であったりのとても思い内容で一気に読み終えることはできなかった。改めて翌日に読んでいく中で思ったことがある。著者は当事者であるが故に強制収容所を俯瞰して観察をしようとしているが俯瞰しきれていないからこそのこの没入感とパンチの重さなんだと気付き著者が自分の近くまで来ているので自分は一歩引いて読むことにした。
そうすると内容がスッと入ってきたが薄味になってしまったのかもしれない。

とてもいい本だったと思う。現代の古典と呼ばれるだけあってとても深くそして重く、人に考えさせる本である。この本は定期的に読もうと思う。これは一回目に思ったことで2回3回と読むことで感想は大きく変わるかもしれない。それこそ今回はできなかったがこの本を正々堂々正面から受け止めたいと思う。
以上。


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