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箱夢の話集 第四集

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【SS】手袋と靴下

二階の窓から手袋を落としてしまった。 見下ろすと、一階の庇の上に載っていた。 運がいい。 …

Tome館長
1日前
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【思い出】手の痛み

保母さんの弾くオルガンの音が聞こえる。 幼い僕たちが小さな手と手をつないで 輪を作ってお…

Tome館長
3日前
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【SS】手続き

住所のメモだけが頼りだった。 地図はなく、電話番号もわからない。 もっとも、住所だけで十…

Tome館長
5日前
6

【SS】いい子でいてね

僕の家は五人家族。 お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、そして僕。 「いい子にしてい…

Tome館長
7日前
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【SS】鏡の中のロンちゃん

マサト君という変な大人の知り合いがいて 僕の言う事をちっとも聞いてくれないので 僕は困っ…

Tome館長
9日前
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【SS】デスクの胸像

オフィスを出ようとしていたら  女子社員のひとりに呼び止められた。 「これ、素敵ね」 彼女…

Tome館長
11日前
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【独白】忠告

殴られた記憶がある。 かなり昔の話だが忘れてはいない。 殴られたら誰だって痛い。 誰だって痛いから、誰だって  相手の痛みを想像できないはずはない。 それなのに相手を  なぜ殴る事ができるのだろう。 自分がされて困る事を相手にする人は  まったく理解に苦しむ。 本当に困った人だ。 嫌われても仕方ない。 それでも構わないとしたら、不幸な人だ。 いつか殴り返されるだろう。 あるいは、刺されるかもしれない。 たとえば、ほら  こんなふうに背後から、不意に。   A

【SS】父と母

父が台所で料理をしている。 フライパンの上で卵焼きを作り  その上に切り揃えたほうれん草…

Tome館長
3週間前
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【SS】チケット返せ

海岸なのに海は見えないのだった。 大男が大きなオートバイに乗り  砂浜を颯爽と横切ろうと…

Tome館長
3週間前
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【SS】旅人

夕闇の荒野をひとり  くたびれた旅入が歩いていた。 遠く人家の灯りが見える。 頼めば泊めて…

Tome館長
3週間前
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【思い出】煙草の幻覚

若い頃、煙草を吸いすぎて気持ち悪くなり、 目を閉じて項垂れていたら 幻聴が始まった。 遠い…

Tome館長
4週間前
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【セリフ】ダメよ。

あら、ダメよ。 まだまだ我慢して。 あせっちゃ、ダメ。 まあ、いやな目。 そんな顔、しない…

Tome館長
1か月前
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【SS】退屈な女

真夜中、見知らぬ女が訪れる。 「助けて。退屈のあまり死にそうなの」 なるほど、そんな顔を…

Tome館長
1か月前
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【SS】空耳

クルマは高速道路を走っていた。 「えっ、なに?」 返事がなかった。 「なんだよ?」 やはり返事がないのだった。 おれは不安になってきた。 「あのさ、なにか言わなかった?」 「なにも言ってないわよ」 「おかしいな」 「私の声が聞こえたの?」 「うん」 「空耳よ」 「そうかな」 「寝ぼけてたんじゃないの」 そこで、目が覚めた。 自宅の寝室だった。 夢だったのだ。 笑える。 本当に寝ぼけていたらしい。 それはともかく、少し気になる。 あれは本当に空耳だったのだ