やんなっちゃうよ、まったく。
彼女、耳たぶ噛みながら囁くんだぜ。
「欲しいの。その目玉くり抜いて」
もう、とんでもない話だよな。
たまらんぜ、まったく。
それで、おれ、
こんなに目が不自由なのさ。
それから彼女、おれの胸毛
一本ずつ抜きながら囁くんだぜ。
「この手で心臓に触れてみたいわ」
へっ、畜生!
もう、まいちゃうよな。
ほら、だからなのさ。
おれ、ひどく顔色悪いだろ。
Scrounge
I don't like it at all.
She whis
「なにしてるのよ。やめなさいよ」
「そっちこそ、手を離しなさいったら」
ドアを挟んで女がふたり、
開ける開けないの攻防をしている。
彼女たちがつかんでいるドアノブ、
その色も形も男性性器にしか見えない。
「おい。やめろよ」
つい声をかけてしまった。
ふたりは振り返り、ドアノブから同時に手を離した。
「あっ。
やっぱり、その、やめなくていいです」
Door Knob
"What are you doing. Stop it."
"You are the one