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いかがわしい音がホールに鳴り響き、 あやしげな光が舞台を照らし出す。 やがて美女の登場。 …
僕の秘密の遊び場は小学校の裏山にある鍾乳洞。 入口は、お地蔵様の並ぶ崖の下。 ここに入る…
若者がひとり山道を歩いていた。 前方には深い谷がある。 やがて、吊り橋が見えてきた。 た…
そのカタログには 女の子たちの写真が掲載されている。 水着姿、学校の制服姿、着物姿など…
家のまわりをすっかり囲まれてしまった。 鬼どもの恐ろしい声がする。 「出てこい、出てこい…
俺は包丁を持って歩いていた。 若い女が立っていたので、包丁で刺した。 胸が大きかったので…
靴音が聞こえる。 踊り場で休んでいるというのに。 それにしても長い。 長すぎる。 誰が築いたのか、この階段。 石段も石壁も厚く、硬い。 すでに破壊は試みた。 そのため両手は砕けてしまった。 両足も痛む。 呼吸も苦しい。 立ち上がれない。 石の床が冷たい。 氷のようだ。 体温を奪う。 座り続けることもできない。 ここで息絶えるのか。 「そんなばかな。うそだ。でたらめだ」 それは階段の上からの声。 幻聴ではない。 靴音も幻聴ではなかったのだ。 信じられない。
ひとり僕は防波堤に立ち 水平線を眺めていた。 いや、もっと近くを眺めていたかもしれない…
息苦しい夢から目覚めたら 汗まみれの胸の上に亀が乗っていた。 「この亀、悪い夢を喰うね」 …
もうどうでもいいや、と思った。 本当に、どうでもよくなってしまった。 「あの、唐突でご迷…
ひとりで寝るのがいやなのね。 坊や、 暗闇が怖いのかしら。 それとも、悪い夢を見るの? …
草原を駆ける裸の少年たち。 追い迫るは馬上の貴婦人。 「どうしよう」 「どうする?」 「隠…
夜の繁華街をヨタヨタ歩いていた。 白痴の騒音がグルグル渦巻き 狂った電飾がチカチカ瞬い…
見上げたら、めまいがした。 鬱蒼とした枝葉が邪魔をして 空がちっとも見えやしない。 様々な色の樹皮の幹に囲まれて 身動きさえできやしない。 胸が苦しい。 息が詰まる。 僕はポケットに手を突っ込み、 お気に入りのジャックナイフを取り出す。 銀色の鋭い刃をカチッと起こして 僕は目の前の樹皮へズブリと突き刺した。 「ギャー!」 その忌まわしい怪鳥の叫びは 怖いくらい女の悲鳴に似ていた。 僕の手のひらは樹液で真っ赤になった。 木立が逃げてゆく。 枝葉の覆いが切れる。