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寒い。 とても寒い。 裸だった。 肌寒いはずだ。 どうやら夜中、ここは学校の保健室らしい。…
彗星が夜空を焦がしていた。 診療室では女医が少年を治療していた。 「熱いよ、先生! すごく…
メリーちゃんは歌が上手でした。 あまりにも上手なので その歌を聞いて 偉そうな大男が泣き…
絵を描いていた。 いつものように美人画である。 美人でなければ描く意欲が湧かないのは 人格…
村はずれの浮島がある池のほとり そして初夏 目立たぬ地味な草に 可憐な花が咲く。 な…
ひとり僕は防波堤に立ち 水平線を眺めていた。 いや、もっと近くを眺めていたかもしれない…
夜空にはカップ麺が浮かんでいた。 最新情報機器が商標名と一緒に回転していた。 巨大な顔のモデルは化粧品を放り投げていた。 やれやれ。 いやな時代になったものだ。 とうとう夜空がスクリーンなってしまった。 見上げて交通安全の標語を読んでいると 交通事故に遭いそうだった。 「お父さん。星ってなあに?」 幼い娘が真顔で尋ねる。 「もうすぐ見えるよ。そろそろ放映終了の時間だから」 0時が過ぎた。 「わあ、きれい!」 「あれが、みんな星だよ」 満天の星空。 天の川までは
壊れてしまった女の子の部品を集めて 記憶を頼りにもう一度組み立ててみた。 「名前は?」 「…
「あの、お尋ねしたいのですが」 私は、異国の地で異国の人に 自国語で尋ねてみた。 「サナ…
こちら、私がおりますところは 毎回びっくり死の犠牲者が多数出ることで有名な 「世界びっくり…
「まあ。ユミ、久しぶりね」 見ず知らずの女から声かけられた。 「ええ、そうね。ごめん、急…
「ヒロコ」 と僕。 「タカシ」 と彼女。 「お別れだね」 「そう、お別れ」 4月なのに雪が…
突然、火の神が燃えあがった。 よりによって水の女神に恋をしたのだ。 でも、火の神は水の女…
お花畑に女の子が咲いていた。 「きみ、きれいだね」 と、ぼくが褒めると 「べつに」 と、女の子。 ちょっと高慢な品種らしい。 「そりゃまあ、まわりはきれいな花ばっかりで 特別きみがきれいというわけじゃないけどさ」 ぼくが憎まれ口をたたいても 「おあいにくさま」 つれない返事。 (こんな女の子は摘んじゃえ!) と思ったけど 摘み方がよくわからないし なんだかすごく抵抗されそうだし くやしいけど ぼくは写真だけ撮って お花畑をあとにしたのだった。