地球儀と聞いて

皆さんは「地球儀」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。最近は専ら、デカれもん兄ちゃんの新曲のタイトルとして耳にする。(※彼は私のバイブルであるからして、敬愛の意味を足しておきたい)
私は地球儀と聞いて、昔親戚の子供たちと行ったお遊びが真っ先に思い出された。

私の実家は祖父母と同居しており、3世帯住宅であった。祖父の持ち家であり、彼が8人兄弟の長男であったからしてお盆やお正月にはそれはそれは沢山の親戚が集まった場所であった。
また、その親戚らの集まりには沢山の従兄弟や従姉妹が家に来た。

片田舎の家で子供たちは家の中を駆け回ったり、何度目か分からないくらいトランプをしたり、家から徒歩2分程にある公園で全力ダッシュなどをしていた。そして、大型な商業施設も無い田舎に集合した子供たちはオリジナルの遊びを考えることが多かった。
例えば、大人たちが飲んでいる瓶ビールの蓋を誰がどれだけ多く集められるかを競ったり、公園の川のタニシを誰が1番多く捕獲できるかどうか競った。家の中にあるお盆を誰が1番集められるか等という変なものもあった。
そこでこの"地球儀ゲーム"なるものを親戚のおっちゃんから伝授したのである。

しかもこの「親戚のおっちゃん」は、どの家の「親戚のおっちゃん」よりも人気のあったレジェンドおっちゃんであった。子供たちから圧倒的な支持率を得るおっちゃんは、子供たちの遊びに全力で付き合ってくれたヒーローおっちゃんだった。また、彼がワンピースのシャンクス氏の大ファンであるらしく、親戚の子ら一同に「おっちゃんの事は、シャンクスおっちゃんって呼んでな!!!!」とゴリ押ししていた。
その時代のガキンチョ達が"ワンピースのシャンクス氏"を認識していたかどうかは定かでは無いが、兎に角ゲラゲラ笑い、彼の名前を連呼していた記憶はある。

シャンクスおっちゃんが考え出してくれた「地球儀ゲーム」とは今考えるとそんなに大袈裟なお遊びでは無い。
先ずは、家に置いてあった大きめの地球儀を誰ががまわす事から始める。
挑戦者となる子供は、廻っている地球儀に自分の指を近づけてゆくのだ。地球儀の回転が終わった際に、自分の人差し指が地球儀上の陸(国)の上にあるならばセーフ、海の上ならばアウトという単純明快なルールのゲームだった。

今文字として書き出すとシンプル過ぎて、何故これが𓏸𓏸家の親戚キッズの中で大流行りし、シャンクスおっちゃんが称えられていたのかも分からなくなる様な感じもする。
然しながら、私の中の地球儀ゲームをする子供らの記憶はいつも大盛り上がりであった。



あれからもう十五年は経とうとしている。シャンクスおっちゃんは今でも面白い。
地球儀にをまわすように。という詩は彼の素敵な歌声と、私の中でのシャンクスおっちゃんが半々ぐらいに胸に響き渡る。


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