第4章 コーチング・プロセス
6つのステップ
①セットアップ
コーチングのを始める上での準備、プレコーチング。
コーチングでのテーマ決定や、どのような頻度でコーチングを行うのか等を合意する。
②「目標の明確化」のポイント
クライアントの「want to:真に達成したい目標」を探し出すフェーズ
クライアントがコーチングに求めていると言葉で表現していることが、本当にクライアントが求めているもの=want to ではない。
want to:真に達成したい目標 と間違いやすい目標
- have to:しなければならない目標
- hope to:憧れの目標
クライアントのwant toを見つけ出す達人=コーチになること
hope to:憧れの目標
熱しやすく冷めやすいのが、hope toの目標。
本気かどうかを確かめる方法:チャンクダウン=質問で掘り下げる手法を繰り返すこと
質問で具体化→脳に負担をかける→「やりたい」のエネルギーがアップしていく or ダウンしていくことで判断
なぜその目標を達成したい?
その目標達成が人生でどれくらい重要?
どれくらい時間を割いて考えてる?
どんな行動してる?
達成できなかったらどうする?
その目標を達成した後は、どんな目標がある?
have to:しなければならない目標
「達成しないとマイナスなことが発生する」と認識し、その状況回避するための目標
脳の本質は「自発性」
同じ目標だとしても、have to と捉えて行動するのと、want to と捉えて行動するのとでは生産性が大きく変わる
目的から目標を見て、目標に対する解釈を変える
外部要因だと捉えている目標は一旦置いておき、クライアント自身の目標、目的をまずはっきりさせる。
その目的の視点から、組織として与えられている目標を見ることで、今までの解釈とは別の解釈をすることが可能
それを、コーチが質問することで、クライアント自身が気づけるように促すこと
want to は探し続けるもの
人はどんな状況であったとしても、その中からwant to を探し出すことができる、ということをコーチが信じて継続的に聞き続けること。
人は自分の「やりたい」という気づいた時に能力が開花するからこそ、want to を見つけるための時間は必要な時間。
目標はクライアント自身のための目標として設定
業績目標(売上数字等)や、他社の成長を目標にすると、クライアント自身の成長にフォーカスが当たらなくなる。
目標は、クライアント自身の行動・変化・成長にフォーカスしたものにし、ポイントで目標のリマインドで手段の目的化を防ぐこと。
③「現状の明確化」のポイント
クライアントに自分を客観視してもらう
人は自分の主観・考え方だけで現状を分析しようとする生き物であり、それが原因で大きな食い違いが発生し、目標達成を困難にする。
そのため、自分自身を客観的に見るための仕組みを提供する。
主な手段
映像や音声に記録されたクライアント
ステークホルダーから見たクライアント(360度評価等)
まずは自分が自分を評価した上で、他のメンバーに聞くこと
コーチから見たクライアント
クライアント自身が客観的に振り返るクライアント
手段の目的:客観的な自分と「コンフロント=直面」させること
コンフロントさせ、まずは素直な気持ち(ネガティブも含め)を出してもらう。
その気持ちに寄り添った上で、自ら自己を見るように促すこと。
ネガティブな思いを吐き出さないと、その結果になったことを外部要因のせい=他責にしてしまうこともある。
自己と向き合うための質問の流れ
何を感じたか?何を感じているか?
なぜそう思ったのか?
どうしたいと思っているのか
④「ギャップの原因分析」のポイント
課題は全て「自責」と「捉える」こと
③と④のギャップの原因を他責と捉えてしまうと、自分を変える必要性をクライアント自信が感じないため、⑤行動計画作成には進めない
出てきた課題については、実際の責任の所在がどこにあるのかは問題ではない
出てきた課題に自分が向き合うと決めたなら、自責と捉え、どうすれば解決できるのかを考えること
クライアントの防衛本能を取り除くこと
他責→自責にするための質問を投げかける前に、まずはクライアントの話すことをよく理解し、共感すること
それにより、クライアントの防衛本能を取り除き、クライアント自身が素直に自責の状態になれるようにする
他責→自責への質問例:
- あなたは今、他責ですか?自責ですか?
- もし仮に、この事態の原因の一部があなたにあるとしたら、それは何ですか?
- 「自分が正しい」と証明するのと、目標を達成するのとでどちらを優先にしていますか?
所感
今がどういう状態で、目指すべきところはどこで、そこに行くために何をすればいいのか。
話としては非常に簡単だが、全てを「自分ごととして捉える」という難しさ。
それを自分がわかって自分がやるならまだしも、それを他人にやってもらうように、しかも自発的にそうなるように仕向ける難しさを感じる。
まずは自分がそういう状態になってしまっていないか、その視点を持つことが大切だと感じる。
それをすることで、クライアントにも「自分はこうだった」と経験談を伝えることもできる。
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