奇跡のシンデレラ 身から出た錆なのか

奇跡のシンデレラ 身から手せたさびなのか


 私は常識がなくて世間知らずの若い女性でした。
だから総務課だの営業課だの人事部だの管理課だの、と言われても区別がよくわかっていませんでした。

そのおじさんは管理課のおじさんということにしました。
「それで何だね」おじさんはひどいいい方しました。。
私もぞんざいなな口で答えましです。。

「この間、10日も前、入社試験を受けたんですけど結果がわかんないんです」
おじさんは、引き気味に答えました。
「え、ああ、先日のね。あの時の合格者はもう、入社して仕事している、と聞いたが、、」
そんな馬鹿な! 私は思わず、抗議をしてしまいました。
「ちょっと待っていなさい」

電話なのに、おじさんは私の剣幕におどろいたらしく、

おじさんはしばらく、どこかに消えたらしく、戻ると私の名前を聞き、ゴソゴソ音を立てました。

(ああ、あれは履歴書をめくっている音なんだ。勘のいい私はすぐにわかりました。私の履歴書は合格しているのに漏れているのかもしれないぞ、と悟ったおじさんは、管理課の仕事としても、そのままにしておけない、と再チェックしてるに違いありません.。

ところが、あにはからんや。
「あなたの履歴書は、今回は、ということで、落選組に残っていましたよ」
(ガーン)おじさんは追い打ちをかけました。
「ああ、あなたは国語は良いけど英語力が弱かったね。中の下だねえ」

もう、だめだ。聞かなきゃ良かった。


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