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クルーバーのツーシームは本当に有効なのか?

球界を代表する先発投手インディアンスのコリー・クルーバーはさらなる成績向上が見込める可能性があります。

まず、現在のクルーバーの投球内容を見ていきましょう。
※ツーシームはシンカーとして扱います。

通算投球割合
シンカー
37.07%
カッター
26.09%
スライダー
19.35%
フォーシーム
11.25%
チェンジアップ
6.24%

通算球種別空振り率
シンカー
4.24%
カッター
18.17%
スライダー
24.03%
フォーシーム
9.82%
チェンジアップ
20.71%

通算球種別被打率/被ISO
シンカー
.312/.189
カッター
.238/.126
スライダー
.122/.074
フォーシーム
.231/.169
チェンジアップ
.210/.107

クルーバーが最も多く投じているシンカー(ツーシーム)はデータ上の成績を見る限り有効とは言い難いです。空振り率は4.24%で投じている5球種の中で最も低く、また被打率・被ISOとも悪く他球種と比べ明らかに打ち込まれていることが分かります。

もともと一般的にはシンカー(ツーシーム)はゴロを打たせ長打を回避することを目的としています。しかし、クルーバーのシンカーは前述の通り本来の目的を果たせていません。

その他の球種であるスライダー、カッター、チェンジアップはいずれも空振り率20%前後をマークしていて、一流と言える球種です。

最も打たれている球種(シンカー)が投球の4割近くを占めている現在のクルーバーの投球配分は最適とは言えないでしょう。
同投手はシンカーの割合を減らすことによって成績が更に向上する余地を残しています。

シンカー以外の変化球(スライダー、カッター、チェンジアップ)の割合を増やすのも一つの選択肢です。また、フォーシームの割合を増やすのも良いと思われます。
クルーバーのフォーシームは年々変化量が減っていることは気掛かりですが、シンカーよりも空振り率が高いため大きな問題ではないでしょう。
クルーバーは左打者に対してフォーシームを外角高めのボールゾーンに投げ込んでいますが、そのゾーンは空振り率が低いです。その一方、ストライクゾーン高め周辺は空振り率が高いです。若干配球コースを変えることでフォーシームの空振り率が多少改善されると見られます。

オフにはトレードの噂もあったクルーバーですが、インディアンスで更なる進化を遂げられるのか注目です。

※データの参考
brooksbaseball
http://www.brooksbaseball.net/

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