私的偏愛録 其の十七 内澤旬子『カヨと私』

 お笑いを観るのがわたしの数少ない趣味で、時々ライブに行ってふふふとしたり、ラジオを聴いてへへへとしたりしながら暮らしています。
 ネタや話は面白いし、芸人さんたちがわちゃわちゃしている空間を観るのも聴くのも楽しいのですが、たまーに「うらやましいなぁ」と思ってしまうのです。
 そのうらやましい、という気持ちは何からくるのか。すてきな装丁で思わずジャケ買いした『カヨと私』を読んで何となく答えが見つかった気がします。
 わたし、相棒が欲しかったんだなぁ。
 関わり、接し、ぶつかり、逃げ、戻り、寄り添う。同じ方を向いて生きていく。暮らしていく。向き合いつづける相手がいることが、うらやましかったのです。
 人里離れた場所でコールダックと一緒に暮らしたいな、なんて気軽な思いは『カヨと私』を読んでから改めたけれど。
 自身と向き合いきった先に、わたしの相棒(コールダック、もしくはオウム)を探せたらいいなぁ、なんて今はぼんやり考えながら暮らしています。

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