強化刺激に着目せよ!~行動を継続してもらうメソッド~ 人を育む vol.2

▼行動科学マネジメントの「ABCモデル」

前回のテーマは、「行動にフィードバックせよ!」でしたが、その続編といってもよいでしょう。

いい結果はいい行動の積み重ねによって生まれます。
いい行動をとってもらうためには、具体的行動へのフィードバックをすることが大事でしたね。

では、いい行動を繰り返してもらうためにはどうしたらいいのでしょうか?

人に望ましい行動を繰り返してもらう仕組みについて、
行動科学マネジメントでは「ABCモデル」という概念を用いて説明しています。

A(Antecedents) =先行条件(=誘発刺激)
B(Behavior)   =行動
C(Consequences) =結果(=強化刺激)


普段僕たちが最初に何か行動を起こすのはAの先行条件(誘発刺激と呼ばれます)によります。

例えば、
「お腹が出てきた」からダイエットを始めた
「友人に誘われた」からゴルフを始めた

こういう先行条件で人は確かに行動(B)しますが、それを繰り返すかどうかはわかりません。
繰り返すためには、その行動をとった結果がどうなったかが重要になります。

ダイエットを始めた結果、体重が減っていたら続けるでしょうし、
ゴルフをやってみて、それが楽しかったり上手いと褒められたりしたら2度目3度目がありそうです。

これら、次の行動を決定づける「C(結果)」が「強化刺激」と呼ばれるものです。

▼誘発刺激より強化刺激

実は、僕たちは誘発刺激よりも強化刺激にずっと大きな影響を受けていますが、案外それを意識していません。

眼鏡をかけている人に「なぜ眼鏡をかけているのか」と聞けば、たいてい「目が悪いから」という答えが返ってきます。
このときの「目が悪い」というのは誘発刺激である先行条件です。
しかし、その行動をとり続けている理由は「眼鏡をかけるとよく見える」という結果、つまり強化刺激を受けているからです。
もし、よく見えなかったり、めまいがしたりすれば、眼鏡をかけ続けませんよね。

これと同じことが仕事にもあてはまります。

誰にとっても習慣化されていない行動を継続するのは大変です。(かつさんの朝会リレーの継続力はバケモノです。)
誘発刺激によって行動を起こし、強化刺激で継続してもらう」という流れが必要になります。


▼例:VALUE体現度を高めるためには?

例えば、Valueを意識した行動をとってもらう場合には、

Valueが大事だからこの行動をとろう!となって1度はアクションしてみても、そこから得られた成果が見えなければ継続されません。
あるいはValueセッションなるものをやって終わりという状態もまたしかりです。


本当は自らのVaue体現が、成果として顧客や経営・事業からの反応が返ってくることが一番でしょうが、採用部は営業組織と違って成果がとても見えづらい組織です。
つまり、新卒採用部は、何も考えず過ごしていると「強化刺激」が受けづらい体制になっているのです。


ですので、
①皆さんから対象の人に日々成果を伝えること
(○○のときの〇〇っていう外向きな行動が、〇〇の採用につながったと思うよ。〇〇が褒めてたよ。)
②メンバー同士で互いに行動にフィードバックし合う環境を作ること
(○○さんの〇〇っていう行動、成長マインドを体現していていいね!)

などを通じ、意識的に「強化刺激」を与えていく必要があります。
※サンキューカードも実はここに基づいています。

▼効果的な強化刺激

ちなみに、強化刺激には、次の要素を入れ込んでいくと効果的と言われています。

①達成感が発生する(目標達成おめでとう!やりとげたね!)
②承認欲求が満たされる(すごい!○○だからこその成果だね!)
③貢献度がわかる(おかげでチームの成果につながったよ!みんなにいい影響与えているよ!)
④成長度が見える(○○ができるようになったね!○○な点が進化したね!)
⑤自己肯定感が高まる(○○ならこれからも信頼できる!期待している!)

ぜひ自分の言葉がどんな強化刺激になっているのか、意識してみてください。
あるいは人によってどんな強化刺激が有効そうか、も考えてみるとよいかもしれませんね。


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