AMO理論から始めるメンバー育成 "人を育む"vol.5

▼AMO理論とは?

日本企業ではほとんど知られていませんが、世界基準として知られている理論の一つだそうです。
2000年に発表された理論で、高い業績をあげている職場のシステムを研究した結果、個人の業績は「A」「M」「O」の3つの変数による関数であるとしたものです。

方程式で表すと、P=f(A,M,O) となります。

PはPerformance(業績)、AはAbility(能力)、MはMotivation(やる気)、OはOpportunity(機会)を表します。

・アビリティー…その職務を果たすのに必要なスキルや知識を持っているか
・モチベーション…その職務をしたいというやる気や熱意があるか
・オポチュニティー…仕事をすることがために必要な支援が得られるような職場環境が整備されているか
(例えば、問題が起きた時にそれを聞き入れてくれる窓口があるか、対処するためのテクノロジーが備わっているか、能力を発揮する機会があるかなど)


AMO理論を部下育成に適用すると、対象者の育成ニーズを明確にすることができます。

三要素のうちカギとなるものをひとつ特定し、それに対する具体策を立てる、というのが基本ステップとなります。
対象の人には何が与えられるだろう?と悩んだらこのAMOに立ち返るとヒントが見つかります。


大事なのは「ひとつに絞って考える」ということです。

とかく日本人は「すべてが大事」と思いがちで、優先順位をつけることが苦手です。
しかしメンバー育成においては一点突破の思考が大切です。
メンバー自身がひとつずつ着実に変化を実感できるようにするためにも、優先順位をつけてとりくみましょう。


▼タスク別での習熟度評価

AMO理論を適用して、メンバーの育成ニーズについて大まかに分析できたら、次はもう少し細やかな分析に移ります。

メンバーの習熟度の度合いをタスクごとに四段階で評価しましょう。
重要なのは評価はタスクごとにする、ということです。

どうしても”人”で総じて評価してしまいますが、例えばリクルーティング業務では習熟度が高くても企画業務でそうとは限りませんよね。
さらに細かく言うなら、TypeAリクルーティングにおいての習熟度とTypeBリクルーティングでの習熟度も異なるものです。
特に新卒採用部はタスクの種類が多い部署ですので、この意識は忘れずにいたいものです。


四段階で評価したら段階に合わせて、以下のように育成アプローチを変えていきます。

第一フェーズ:指示
第二フェーズ:コーチング
第三フェーズ:支援
第四フェーズ:権限移譲

イメージできると思いますので詳細な説明は割愛しますが、
最初はがっつりと介入しだんだんと離れていくイメージですね。親の気持ちです。結婚したい。


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