クラウドワークスにおけるマルチ商法

こんにちは。今回はクラウドワークス(CrowdWorks)で募集していたお仕事に応募したらマルチ商法だったお話です。
下っ端の1人だけ説得して辞めさせることが出来たので、事の経緯をお話しします。

0.登場人物

今回、登場人物か私含めて5人ほどいるので、記載しておきます。
もちろん、あっちは偽名使ってるでしょうから偽名の頭文字から名付けます。
後々聞きましたが、K氏だけ本名みたいです。

…クラウドワークスにてマルチ商法の仕事に応募、マルチ商法の説明会へいざ参らん。

K氏…1番下っ端。1番かわいそうな子。1時間かけて説得してマルチ辞めさせた子。

U氏…K氏に「先生」と言われてた人。説明会で原稿噛み噛み技術を披露した先生。

G氏…司会の割に進行そっちのけで「説明聞いて良かった点を聞きたい!」しか話さない人。

J氏…サクラ。原稿読んでんのかってぐらいインターネットビジネスを絶賛。

1.掲載されていたお仕事への応募

まずクラウドワークスにて応募しているお仕事はこのように掲載されていました。

今思うとこの時点で怪しさ満点ですね〜。
時給換算1800円以上って大分高値やん!
と思い怪しさもありましたが応募しました。

するとアンケートURLが貼られ、本名、住所、年齢、生年月日、LINE ID、メールアドレス、稼ぎたい理由等記載する箇所がありました。
契約を結んでないのに個人情報聞き出すのは怪しいですね〜。
こちとらまだ社名も頂いてないんですけど、と思いながら入力し送信しました。

しばらくするとLINEを追加してくれとの旨がメールにて来ましたのでLINEを追加しました。
クラウドワークス(CrowdWorks)の契約規約には(詳しくはこちら)

「MLMやねずみ講などの悪質な案件が増加しております。契約前に、LINEの連絡先を聞かれたり、外部サービスへの登録を促された場合には、お手数ですが辞退をお願いいたします。」
「当サービスでは、MLMやマルチ商法(ネットワークビジネスなど)への勧誘を目的とする仕事およびスカウトを禁止しております。
以下のような内容を発見した場合、お手数ですがPCサイトの仕事詳細画面にある「この仕事を通報する」より事務局までお知らせください。」
・コピペのみで稼げる、月30万などの高額な報酬を掲げ、別サイトのURLを提示してくる

と記載されており、違反行為に当たってますけど、大丈夫なんですかねぇ。
事前確認しなかった私も悪いですが、なんともまあ。
まだ契約結んでもいないですし、今現在もクライアントの条件同意待ちの状態なんですけどね。
この時点では事前情報不足もあり、マルチ商法っぽさは感じませんでした。

2.LINE説明会までの誘導

LINEを登録するや否や
「なんで稼ぎたいの?いくら稼ぎたいの?夢は何?この目標額を算出した経緯は?」
と必要に聞かれました。
そんなに私に興味があるのね、うふ。
そしてその後、

K氏「今回の案件が他の人で埋まってしまって、私さんには別の案件をやっていただきたい。主に求人サイトへのコピペという簡単作業です。」

このタイミングで、仕事変更なります〜?
とはいえ、簡単そうな仕事だなぁとか思いながらそれを承諾。

説明会の日程を決めたんですが、この説明会の日時は夜の23時〜だったんですね。
普通面接や説明会は夜の20時くらいが限度だと思うんですよ。
実際に転職活動とかしてる方だと、会社終わってから面接したいって方がいらっしゃると思いますが、夜23時〜。
どんなブラックだよ
と思いましたが、引き受けることにしました。

怪しさは残るものの、この時点でもマルチ商法っぽさはまだありませんでした。

3.次々作られるLINEグループ

説明会当日になり、説明会をやる前に準備があるので10分だけお電話したいとK氏から連絡が入ったので、お電話しました。
内容は簡潔に言うと、

K氏「LINEグループを作って、そこに入れるから、先生(U氏)に挨拶してください。他に質問ありますか?」

とのこと。
一応顔出しはするのか、職務経歴や自己PRなるものは聞かれるのかと質問しましたが、いずれもNoでした。
要はマイク切って黙って聞いとけスタイルしとけと言うことでした。

先生???慕ってるのかな?と思いましたが、実際のところは、
「この人めちゃくちゃ忙しくて無理を言って時間作ってもらってるんです!!これ一本で稼いでるトップリーダーなんです!!」
みたいな感じをK氏が醸し出していたので、

(そもそもそんな忙しいなら説明会を動画にするとか色々対策あるでしょ、てか無理して時間作ったとかこちとら知らんし)

と、思いながら作られた私、K氏、U氏のLINEグループ。
とりあえずグループ内でU氏にご挨拶を済ませた後に、また新たに作られるLINEグループ。

地獄。

今度は私、K氏、U氏、G氏、合流遅くなりました感のJ氏、なんかよく分からない、発言もしない人が5名計10名の説明会グループが発足されました。
ここでまとめて挨拶でええやろ…と思いつつも挨拶を済ませましたが、J氏は今回説明会参加しますよ感(要はサクラ)を出しつつ、G氏は「説明会まで後〇〇分!」みたいな定期連絡しかしないBotと化してるようでした。

ここでようやくマルチ商法かもしれないと気づき始めました。

4.説明会までの情報収集

実は私はこの説明会を楽しみにしていた節もあります。
趣味で心理学や話術を学んでいるので、言葉巧みに引き込んでくる人だったら、どんな魅力的な話し方をするんだろうかと内心若干ウキウキしていました。
マルチ商法っぽいかもと気づいてからは、実際トークスキルが勉強できればいいなぁ程度にしか思いませんでした。

さて、K氏との事前電話は夜21時です。
説明会は夜23時からです。
その間にできる事はやっちゃいましょう。

まずはU氏のLINEアイコンを調べると髪のスタイリストモデルの方が出てきました。
よくこういう分かりづらい所から見つけてきますよねぇ。
画像検索すれば一発でバレるんですけどね。

説明会のLINEグループのアイコンには

actarise 事業説明会

と、低画質なアイコン画像に記載してあったので、K氏との事前電話の直後、調べました。
ところが、「actarise」で調べても一切情報が出回っておりませんでした。
そして、定時連絡BotのG氏から送られた画像に

マイクのミュートのご協力をお願いいたします。

eLOHAS

と、別の社名が記載されているではありませんか!!
この社名、どこかでみた記憶が…と検索すると以前拝見した波の下にも都はあるんだよな…様の記事で見たことがありました。
一応事前情報として持っとくべき知識だと思い、限られる時間の中熟読しました。
※自衛という意味で読んでおいた方がいいと思います。

読み終わる頃には私の心は「痛い所突かれたどうするんだろう」と意地悪にも思ってしまったのです。
まあ、1ピクセル、モニター画面のドット抜け並みの希望はあるかなぁと思いましたが、次の章でことごとく希望など存在しなかった事を理解します。

5.戦場(説明会)へ

定時連絡BotのG氏が23時をお知らせしたので、グループLINEの通話を受話しました。
送られた資料を読みながら、司会として成り立ってないG氏、原稿噛み噛み技術を披露するU氏の初々しいラジオ配信を聴いているような感覚でした。
全く魅力的な話し方ではなくて残念。
内容は

・抽象的な表現
・当たり前の事を誇張して表現
・アフィや投資、せどり、オンラインショップ、YouTuberは稼ぐのが難しい
・インターネットビジネスいいよ!
・MLMは99%の人が結果が出ない
・MLAは再現性100%!!しゅごいぃ!!

とまあ、他の業種での稼ぎを不安にさせてインターネットビジネスいいよ!と謳ってました。
アフィやYouTuber等々もインターネットビジネスちゃうんかいと内心ツッコミを入れつつお聞きしていました。
そもそもMLMやMLAの説明もされず、何が再現性100%なのかも分からず、結局作業は何よ?って部分が浮き彫りになってました。

この説明会は3部構成だったみたいで1部、2部が終わったタイミングで「これいいね!」評論会が始まりました。
1部ではこのようなお話をしました。

G氏「今の説明を聞いて良かったと思える点があれば仰ってください。まずはJ氏さんから。」

J氏(サクラ)「インターネットビジネスって凄いんですね、興味が湧きましたので次の説明も楽しみです。」

U氏「インターネットビジネスについて興味を持ってくださってありがとうございます!次に私さんお願いします。」

「MLMとかMLAってなんですか?詳しくお聞きしたいです。」

U氏「2部でお話しします!」

この時は2部でやるのかぁ、とのほほんと考えてましたが、心では隙あらばと燃えるものがありました。
この時点でやけに察しが良すぎるJ氏に疑心を持ちました。

2部の「これいいね!」評論会では攻めた質問をします。

G氏「今の説明を聞いて良かったと思える点があれば仰ってください。まずはJ氏さんから。」

J氏(サクラ)「MLAというものにすごく関心があります。次の説明も楽しみです。」

U氏「短時間でMLAに興味を持ってくださってありがとうございます!次に私さんお願いします。」

私のターンです。

「まずこの資料なんですが、抽象的な表現しかされていないので、結局どんな作業をするんでしょうか?
それと再現性100%と謳ってましたが、何が再現性100%なんでしょうか?
MLMでは99%の方が結果を出してない、ネットビジネスは95%が稼げていないと書いてありますが、ネットビジネス×MLAで結果が100%出たってことなら凄いことだと思うんですが、具体的にどういう対策をして再現性100%になられたんですか?
これって本当なら素晴らしいことで、みんなコピペ作業だけで安定して稼げるって事ですよね?

U氏、G氏、J氏「……。」

「この資料見返すとMLAの長所しか記載されてませんが、短所ってないんですか?
私、投資の知識はあるんですけど(以前勤めていた会社で投資のお勉強させていただきました)、株やアフィ、YouTuberのお話を聞いた時、「こういった類は難しいですよね」で一蹴りされてたので言わせてもらいますが、何に対してもリスクは伴うと私は思ってるので、無いなら無いで構いませんがMLAのリスクはなんですか?」

U氏、G氏、J氏「……。」

すると、意外な人物が発言しました。

J氏「すいません、僕この後予定があるので、早めに次の説明に進みたいんですけど。」

U氏「あ、あ…そうですね!お答えしてるとお待たせしちゃうので、次の3部の説明の時にご説明っ

今答えてもらってもいいですか?質問してるので。

U氏「…。」

私「ごめんなさい。答えられないのであれば、今回の件は無かったことにします
貴重なお時間頂いてしまって申し訳ありません。
退室いたします。ありがとうございました。」

これにて終了です。
3部目のお話しもこんな感じだろうと思い、飽きたのでこちらから切りました。

正直1部での質問も返してもらってないですし、率直にこの資料やお話に疑問を持って質問をしてるんで、普通は「興味持ってくれてるんだな」と思うはずが裏目に出てますね。
というか質問してるのに、周りの人が個人的な用事で急いでるから後でって大変失礼だと思うんですが。
それなら「簡単にお話しをさせてもらうと〜〜〜詳しい話は後でね?」とかの方が印象良いと思います。
簡単なお話で納得してくれるなら、次の話へのシフトも簡単に行える&更に逃げづらくすることも容易なはずです。

質問に答えられなければ説明してる人が理解してないということになってしまうので致命的ですよね。
資料に突っ込まれても大丈夫なように事前に予備知識を入れておくなり、もうちょっと人を惹きつける為の話術を学んだ方がいいと思います。

通話を切った後は即座に説明会のグループLINEから退会させられました
証拠を残さない為か、入らない人に用はないか。
まあ、LINEの履歴は全てスクリーンショットして保存済みなんですけどね。
通話も録音しとけば良かったなぁと後悔してます。
あの独特の沈黙はなんとも言えない空気感だったので、録音してれば1週間ぐらい楽しめたかなぁと思います。
ともあれ、U氏、G氏、J氏、ありがとうございました。

6.説得

さぁ、説明会LINEグループは強制退去を食らってしまいましたが、まだ私にはやる事がありました。

そう、K氏の説得です。

何故、説得しようと思ったかの経緯ですが、心理学や話術を趣味で学んでる人間が本当にマルチ商法にかかってる人を説得出来るのかどうか試してみたかった5割、救いたい気持ち5割といった感じでしょうか。
とりあえずK氏の救出を試みます。

説明会が終わった直後にK氏に電話をかけました。

「完全にこれはオフレコでK氏の個人間のお話として聞いてください。
K氏は下っ端でU氏、G氏がリーダー格、J氏はサクラですよね?」
K氏「どもっともです。J氏はサクラってよく気付きましたね。」
「ここで提案なんですが、私はK氏の事を助けたいと思ってます。
何故かというと優しい声をしていますが、自分に自信が無さそうで、まだ会員になったのも日が浅そうなので、助けられるかなと思ったからです。
K氏はこのビジネスに初期費用や会費に月々2,3万を払っているとします。
それでこのビジネスは成り立っています。
言わば、下っ端のK氏が人を集客して会員まで漕ぎ着けばその分K氏に毎月払われる額が多くなっていく。って事は逆にK氏が12ヶ月間無集客なら年間24万〜36万損してることになりますよね?
これに対して再現性100%もへったくれもないと思ってるんですが、どう思いますか?」

K氏「仰る通りです。。。」

「これって人の流れで集客数って変わりますよね?それなら安定していないって思っちゃうんですけど。
求人のコピペも隙間時間を利用して〜みたいなこと書かれてましたけど、K氏見てると様々なサイトに違約記事転載、集客した人の説明会をセッティング、上層に連絡を夜中までやってるイメージしかなくて、「それ本当に隙間時間?自分の時間すり減らしてるやん」としか思えなくて。
それなら自分で投資の勉強したり、「お金」ってものの流れを理解したほうがいいと思います。私が教えられる知識があるなら教えますが、そこはK氏の人生ですし、やるもやらないも個人の自由なのでK氏の意思を尊重します。」

このようなお話(説明会の突かれて痛い所と他の案があるんだけど、こっちのが魅力的じゃない?でも決断はそっちに任せるよ〜?)を1時間ほどさせて頂きまして、無事に説得しマルチを辞める決意を固めてくれました。
K氏の気の緩さには危なっかしいところはあるものの、無事抜け出せて良かったと思います。

今回のU氏、G氏、J氏にも投資のお話をしたタイミングで目覚めて欲しいなぁ…と淡い期待をしてましたが、タッグ組んでいる以上無理だと判断しました。
まあ、初めての試みで1人救えただけ、良しとしましょう。

7.今後の対応

一応送られた資料は今のところ掲載しない予定です。
もし、
「これもしかしてマルチ?こんな資料だったけど…。」
「今後の参考にしたいから見たい」
みたいな方々が多数いらっしゃいましたらURLぐらいは載せてもいいのかなと思っております。
実際に載せてる人もおられるぐらいですし。
LINEのスクショも時と場合によっては信憑性上げる為にあげようかなと思ってます。

クラウドワークス以外にもジモティーなどにもこういった記事は広まってるみたいです。
危ないですねぇ〜。気をつけましょね〜。
みなさんが、しっかりとした自己判断ができる事を切に願っております。

まとめ

今回はこのような結果で終わってしまいました。
トークスキルのお勉強が出来ず残念です。
ただ、1人救えたので経験としては80点くらいです。
またの機会があったら、誰かしら救っていきたいですね。
ちなみにK氏とは今後とも仲良くさせていただくつもりです。

それでは。

追記(2021/04/1)

4章目のご参考にさせていただいた「波の下にも都はあるんだよな…」のブログ管理人様からTwitterにてご連絡があり、このnoteを掲載して頂きました。
掲載していただき、ありがとうございます。

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