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ドル円のボラティリティーリスク

2019年末、ドル円の急激な値動きに注意するようクライアントに警告してきました。
現在のドル円は歴史的に見ても低いボラティリティーです。
ボラティリティーには波があり低いボラティリティーが形成されると、その後に高いボラティリティーが発生するという原理があります。

そして、現在は金融緩和を背景に膨らんだクレジットリスクや新型コロナウイルスによって投資家センチメントや景況感が悪化しているのでドル円のボラティリティーリスクは高まったと考えています。

ドル円 月足チャート

ドル円月足のボラティリティーは2007年来の低下です。
2007年4月に過去最低のボラティリティーを記録してドル円は8カ月後に大きく急落しています。
急落の要因となったのはサブプライムローン問題の浮上です。
その後2008年にはリーマンショックが起きています。
2007年来のボラティリティー低下は2018年8月から続いており史上最長を経験中です。

ボラティリティー低下を招いた原因は支柱金利の低下だと考えます。
現在の米10年債利回りは過去最低を記録しています。

これら低金利を招いた原因は長年行われてきた金融緩和だと考えています。
リーマンショックを経験する前のドルは高金利を魅力に値上がりを続けていました。
しかし、貿易競争が加速するにつれて高金利は支障とみなされるようになります。
このような保護主義的な時代の流れがドル相場を圧迫してボラティリティーが低下する要因になっていると考えます。

まとめ
新型コロナウイルスやクレジットリスクが浮上した今、ドル円のボラティリティーリスクを真剣に考えるべきだと思います。
今回は低ボラティリティー期間が史上最長なこともあり、長期ボラティリティーが拡大した時には2007年~2008年に経験した以上の大きな値動きが起きる可能性も十分考えられます。

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