お金で成長を買う政策の弱点 ~マーケット転換のアンテナ~
現在のアメリカは大規模な量的緩和を実施している。
つまり、『お金で成長を買う』政策を取っています。
投資家からしても同政策はうま味が多いので現在は許容しています。
しかし 時に投資家は成長より利益を優先するようになり、マーケットセンチメントは急変することがあります。
つまり投資していたマーケットから手を引いて、別のマーケットへ投資します。
マーケットセンチメントが急変する条件、つまり投資家が同政策を許容しなくなるまでには中長期的な過程が必要になります。
中長期的な過程とは、中長期マーケットが右肩上がりでいることです。
日本株バブルの時にも上記のように大規模な金融緩和を実施して、中長期的な上昇トレンドが続きました。
しかし、ある時高値でマーケットセンチメントが急変して、日本株に集まっていた資金は国債や米国株、新興国株に流入しました。
マーケットセンチメントが急変を予知できるシグナルがあります。
マーケットセンチメントが急変するシグナルは支柱金利、つまり10年債などの長期金利です。
支柱金利にアンテナを張ることは資産を守るための重要なことです。
こちらは米10年債利回りです。
これまで米国株を支えたのは量的緩和と低金利です。
18年末には3%あった利回りも一時1.4%台まで低下しました。
現在の長期金利は1.6%台にあり、昨年10月のボトムで反発を確認できます。
長期金利の反発にはとても重要な意味があると考えています。
年始にFedバランスシートが頭打ちをしていることと、関連しているのではないかと考えています。
つまり、バランスシートの頭打ちが長期金利を押し上げたということです。
それがマーケットにどのような影響を与えるかというと、先ほど説明したようにマーケットセンチメントが急変するシグナルは長期金利です。
長期金利が上昇すれば株価は不利になります。
さらにバランスシート下がるようなら株価から大量の資金が流出するでしょう。
しかし、まだバランスシート頭打ち、長期金利のボトムが形成されたばかりなので確定したことではありません。
1月に発表されたFOMCで興味深いことが声明文、記者会見で確認できています。
インフレ目標の言及です。
インフレ目標が下がり続けていることを懸念するようなニュアンスでした。
インフレ率が下がる要因は消費や購買力、もっと言うならば米ドルレートです。
つまりパウエル議長は金融緩和による長期金利低下や米ドルレート低下を懸念していた、と受け取ることもできます。
要するにインフレ低下を懸念したことが、バランスシートの頭打ちに繋がった可能性があるということです。
以上
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