第16話 友人の話-病室
以前、祖母が地元の病院に入院したことがあった。
その病院には、看護師をしている五木さんという友人がいた。
彼女から、「出る病室がある」と聞かされていたので、ぼくはすぐに、部屋の番号を確認してもらった。
「違うから大丈夫」
そう聞いて、一安心した覚えがある。
ちなみに、五木さんによると、その病院では
「夜中に子供が部屋の中を走り回ってうるさい」
「ロッカーが深夜になるとガタガタ音を立てる」
などの苦情が、入院患者からしばしば寄せられるという。
そうしてそれは、いつも同じ部屋なのだとか。
看護師たちは知っているが、患者には教えてくれない。
気になる人は、もし入院することになったら、とりあえず訊ねてみた方がいいかもしれない。
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