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第2話 父の話-帰省
死んだ人は実家に帰るものなのだろうか?
私の伯父は、42歳の若さで急死した。
いわゆる厄年である。
弟にあたる父はいう。
「Aは銀行員やったから、期末で、殺人的な仕事量やったらしい」
やっと多忙のピークを過ぎたか、というある朝、いつも起床する時間になってもAは起きてこなかった。
起こしに行った妻が見つけたときには、すでに冷たくなっていた。
その1週間ほど前のことである。
父やAにとって実家にあたる「本家」で、ちょっとした異変があった。
「Aさんが帰ってきた」
深夜、本家の奥さんがそういって、玄関のドアを開けに行ったのである。
「ただいま」という声と、ドアを叩く音が聞こえたという。
だが、外に人の姿はなかった。
翌晩も同じことが起きた。
その翌晩も。
そうして、Aが急死した。
ちなみに、本家の奥さんは、強い霊感がある、といわれる人だった。
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