Very You
まちライブラリーの礒井さんに
教えていただいた
小平のサイレントカフェ
Very You
お日様がキラキラの秋晴れの
お昼下がり
ガラス張りの扉を
あけたとたんに
素敵な空気感が伝わってくる
Very You とは
あなたらしい
という意味
あったかい笑顔の店長
かおりさんが迎えてくださる
光が差し込む窓際の席
ランチを注文
かおりさんは生まれつき
耳が聞こえないらしい
ゆっくり話せば
ほぼ口の動きで理解してくださる
実は30年前
社会人デビューした会社には
同期や職場に耳の聞こえない
仲間がいて
手話を学んだり
みんなで遊びにいったりしていた
「30年ぶり」
のあやふやな手話も
かおりさんが優しく
教えてくださる
まちライブラリーには
聞こえないことや
障害についてをテーマにした本、
心が元気になる本
などが置かれている
壁の一部は黒板みたいに
なっていて
店長オススメの本に
一言メッセージが添えられている
『ほんのちょっと当事者』
美味しくて優しい
ランチの前後に
読書できる幸せ時間
ご両親がもう自分の本を
読まない状況になって
書かれた作者の
色々な当事者
誰もが何かの困り事の
当事者になりうる
みんなが隣にいる
誰かへの想像力を
もつようになれば
まわりまわって
思いもかけない方向から
誰かがわたしの
小さな困りごとを
助けてくれる気がする
そういうのって
なんだか素敵で
とてもふくよかな社会に
思えるのだと作者
ちょっとの時間に
ものすごく考えさせられる
カモミールティーを
運んできてくれた
かおりさんが
手話で話しかけてくださる
みたか多世代のいえのこと
とまり木のこと
教員時代のこと
放課後こども教室のこと
子どもたちに
ななめの関係を
つくりたいこと
介護のこと
つたない手話と
筆記と口話で
なんだかおしゃべりが
続いた
30年前にわたしに
手話を教えてくれた人たちに
ありがとう
と、かおりさん
こうやって話せるのは
その人たちのおかげ
今度はかおりさんの
お話を聞かせてもらう
約束をして
自分らしく
ゆっくり過ごしたい場所が
またひとつ