【ネタバレ注意】大悪党地獄ヶ原斬人 書き出しリプレイと感想
【注意事項】
本文章にはしまどりる 様作の
エモクロアTRPG「大悪党地獄ヶ原斬人」のネタバレを含みます。
・今からセッションする予定がある
・いつかセッションしてみたい
そんな方々はここでブラウザバックをお願いします。
【注意事項2】
今回、プレイしたPCはGMと相談した上で
・クトゥルフ神話TRPG (以下Coc)とのコンバート
・Cocで過重継続探索しているキャラをコンバートするために
技能値+5,能力値+3,初期共鳴値+1の処理をGMよりいただいております。
それでも良い方はスクロールをどうぞ。
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セッション日9/23 20:32~21:47
【PC】名前:ミナト年齢:23性別:男職業:異界、超常現象への放浪者
〈感情〉
・表:スリル(欲望)
どうせまたヤバイことになったなら精一杯得しないと
・裏:諦観(傷)
正直心身ともに疲れて諦めつつある。
・ルーツ:本能(欲望)
自覚症状の薄い生存本能。生き残ってしまうばっかりに
こんな人生を送っているともいえる。
〈特殊処理〉」
・呪文の持ち込み2種・技能PT+5・能力値+3(共鳴値+1スタート)___________
【本文】
人には誰しも嫌な思い出、記憶がある。
もし、嫌な記憶を忘れてても、人はたまに極度のストレスだとか、
その忘れた記憶に酷似したものを見る……原因様々ですが、
フラッシュバックという形でそれを思い出す。
もし、大切な人を失って失ったことだけを忘れたら。
居ない人を探す哀しい獣になるかもしれない。
もし、大切な人を失ってそれを糧に踏ん張って生きていたら…
大切な人を忘れた人は生きていけるのか
大切な人との記憶を全て失ったら
その人の中の【大切】に価値はあるのだろうか
ここまでの自分を作ってきた【記憶】を失った時、そこに立ってる人は本当に俺なのだろうか
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これ誰の体だ?見覚えあるけど、思い出せない…頭から声が響いてくる、高圧的だけど懐の広そうな…誰だろうまたおかしな状況になってるっぽい
少しづつ探って思い出す。ここは東京スカイツリーの展望台。
なんとか帰りたいけどエレベーターは止まってて、火災が起きてる。
窓に映る顔を見て。この体が有名な指名手配者 大悪党斬人だって気づいた。降りてすぐにパトカーに囲まれるのだけは嫌だけど今は市民の避難優先らしい。脱出経路を探す。なんとか帰りたい…し、今なら逃走経路もわかる気がする。〈大悪党〉トリプル成功
~???の記憶~記憶がながれこんでくる。誰の?俺の?幼い頃?の記憶。病院にいる兄が好きだった
お邪魔してて、相手の意識がある以上極力平和的にお話していこう。
怪物だって賢いやつらは話し合えた。大悪党でも“人間”なら話し合えるはず。
一通り見たけど、彼はエレベーターで上に行きたいらしい。
下に行きたいけど彼の目的を知って悪いことは無い…はず。
だって俺が計画したんだから。大丈夫。
~彼の記憶~
飼い犬が亡くなった、兄と大切にしてた犬が。母は虹の橋を渡ったと言っていた。兄さんが茫然と外を眺めたのをよく覚えている。
~エレベーター内~
「なんでここなのか」
素直な疑問を投げかけた。体に入ってて理解してる。この体なら国会議事堂を占拠して国家転覆も警察庁を全て人質にどんな要求も通せるはず。
「上った先を見ればわかる」
なんてサラッとながされた。
~上層展望室~
あるはずの無いものがそこには鎮座してた…機械。
とてつもなく大きくて、人がハートを抱き抱えるような体勢の機械、
その額には『Love&Peace』の文字…周りには増幅機とおもしきタンクと出力するスピーカーが並ぶ。
なるほど、ただの電波塔に彼が来た理由がわかった。
『全ての人から嫌な記憶を消して、ハッピーな世界をつくる』
褒めて貰えた。こんな、なんで生きてるかもわからないコ泥が世間を揺るがす大悪党に。賢いってさ。素直に嬉しい。だってこの人悪い人じゃない。
さっき見た記憶…彼の兄は虹の橋を見たいと言っていた。…だから彼は兄の夢を叶えてあげていた。その苦しさで彼は大変なことになってるけどとにかく彼は優しい人だ。
これはわがままだけど、俺は記憶を失いたくない。
辛い記憶あっての俺だから。
それに、あの機械が嫌な記憶を消すだけじゃなくて、
それを思い出すきっかけになる記憶も連鎖的に消すなら
あの人はひとりぼっちになっちゃう。
大切な兄、ペットの記憶が丸ごとなくなるそれはダメだ。
色々と提案してみたけどダメだった。彼と話をする中で、急に俺の意識が消える。
どんなに嫌な記憶でも、それがあったから今の俺がいる俺はこの経験と運だけでここに立っている…俺は誰だ?記憶をなくして世界を救いたい?
いや、救われたい”彼”じゃない『俺はミナトだ』
気づいたら俺は下層展望台に自分の体で立っていた。
あの万能感も無敵感もない。今あって、何か間違えたら確実にタヒぬ。
でも、すぐに話をしないと。すぐ戻らないと。正直彼の話はいいなって思ってしまったから。だからこそ止めないと。
機械の効果範囲、命乞い、なんでもとにかく思いついたら聞いてみる…
彼との話は上手くいかなかった。いや、すぐに出力最大にしてもいいところを止めてくれてるだけ上手くいってるんだけどね。
少し「行けるか!?」なんて思って国外に逃げた後に合図するための連絡先交換を提案してみる。
…銃で撃たれた。さっきの威嚇射撃と違う。すんででかわせたけど頭が真っ白になる。
…最後に、こんな冒険ができてよかった。わけも分からないまま記憶を失うんじゃなくて、その現場を見れて、知れてよかった。記憶を失った後、俺がどうなるか分からないけど廃人になってないといいな。半ばあきらて、ヤケクソで座る。
「嫌な記憶がなくなったら俺は幸せになれると思いますか?」
って聞いてみた。彼はしずかに、真っ直ぐ目を見てうなずいた。なら悪くない。
今日の出来事は全然嫌じゃない。寧ろ楽しいし嬉しい。…いつかこのことを何かで思い出した俺にどう思われるかわからないけど、彼に装置の起動を促した。
彼は少し考えて、それから俺を下に逃がしてくれた。
どこで何が彼の心に響いたかなんてわからないけど、
「お前が少しでもこの幸せを受け入れたら、その時は計画を実行する」
って。また会う約束をしてくれた。
下層階に行くよう言われてエレベーターに乗り込む、さっき断られたけど電話番号を置いて行ってみる。
彼はニヤっと笑って、近づいてきた。
エレベーターが無機質な音を立てて静かに戸をしめる。妙な達成感と安堵から伸びをする。…めっちゃ怖かった。
突如響き渡る爆音。揺れるタワー、降りしきる瓦礫に人々の悲鳴。
一瞬心配したけど彼なら大丈夫か。
他のどの瞬間でも拝むことのできない崩壊し、風穴の空いたスカイツリーの縁に腰かけて写真を撮る。
彼がこの後、どう行動するかはわからない。
でも、俺が彼を見ようとしたように彼も俺の記憶を見て俺に寄り添おうとしてくれたらしい。そんな人が確信持って「幸せになる」って言ってくれたんだから文句はない。この写真をもって、見知らぬ番号からの電話を待つ日々がはじまった‥‥
残響:優しい人との幸せな約束
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【背景】
PCはCocで過重探索し、様々な技能が成長したり呪文を覚えてしまい、
クトゥルフ神話技能を35%持つほど狂気的な事象に巻き込まれている。
この斬人は兄を自らの手で殺害した手の感覚を消すために、人を●したり事件を起こし続けた優しいがために狂ってしまった男
全ての人間から「いやな記憶」を削除することで幸せな世界を作ろうとした。最終的に、PCの「俺は記憶を失いたくない」「効果対象選べたり、忘れる範囲設定できないとあなたは独りぼっちになってしまう」etc……
の発言に心情の変化があったのか、マシンのアップデートと再会を約束して爆発の中去っていった。
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製作者様、GM様、GM様にこのシナリオを布教して下さった方、
いつの日か、このシナリオを回って本文章をお読みいただいた皆様御礼申し上げます。
2024 9/26 ケイラ
【感想】
失ったものをそれに近い何かで埋めようなんて。
可哀そうな人。あなたは優しすぎた。
これは私の持論だけど、嫌な記憶がなかったら秩序なくなるんじゃないかな。
だって嫌な記憶なくなったら怒られて嫌だったことも、仕事の内容も忘れかねないもん。無理無理。
どの範囲で消すか決めれたら大賛成なんだけどね。
行動力がすごすぎてせっかちさんになっちゃった#俺斬人がひたすら可愛かったです。
またね。
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