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「魔改造の夜」を越えて ー「ワクワクすることに挑戦したい!」好奇心から生まれる、かけがえのない日常。

今月もまた熱い木曜夜がやってきました。
みなさん、2023年夏の「魔改造の夜」は見ていただけましたでしょうか?
「魔改造の夜」は、NHK総合で月1回放送されている、超一流のエンジニアたちが極限のアイデアとテクニックを競う技術開発エンタメ番組です。

魔改造の夜 - NHK 

8月のお題は、洗濯物干し25mロープ走。
前回に続き、世界的企業N社、実力派企業H置電機、学生チームN岡高専が、強い想いを胸に火花を散らしました。
編集部では「魔改造の夜」に参加したメンバーの日常について、全3回に分けてお伝えしていきます!と、前回つづったのですが、大好評だったので4回目を作ってしまいました。今回はN社家電チームのサブリーダー・海野さんにお話を伺いました。

※N社は、パンダちゃん大玉転がしに挑む「おもちゃチーム」と、洗濯物干し25mロープ走に挑む「家電チーム」の2チームに分かれて参加しました。

海野さん
NEC警察・警備第一ソリューション統括部 指掌紋研究開発グループ
2020年10月にキャリア入社。指紋照合システムの開発に携わっている。
自作の太陽光発電機で生み出した電気で、日頃テレワークをしている。

「魔改造の夜」には、ものづくりの神髄がある。


ー「魔改造の夜」に参加したきっかけは何ですか?

社内SNSで「ものづくりが得意な方」を募集しているのを見たのがきっかけです。ものづくりが好きで普段から色々やっていることが、何かの役に立つのではと思って、手を挙げました。で、よく読んだら「魔改造の夜」の話だったわけです。
 
「魔改造の夜」は、今までの人生で考えたこともないような難題が超短納期で課されるんです。その無茶ぶりに対して、いかに有効な解決策をチームで表現できるかを競う場なので、エンジニアとしては絶好の腕試しのチャンスで、まさにものづくりの神髄があると感じています。
 
実は私、前職でも「魔改造の夜」に参加していて2回目の出演なんです。
当時、皆と失敗を重ねながら改良を重ねて結果を追い求めた楽しい記憶が、再挑戦へ背中を押してくれたのかもしれません。撮影クルーの中に、以前お会いした方がいたりして、不思議な感覚でした。
 
ー2回目の挑戦だったんですね!
 N社として、また「魔改造の夜」に参加した理由は何でしょうか?
2020年10月、COVID-19が猛威を振るっているときにNECに転職してきたので、業務上のコミュニケーションは、問題なく出来ていても、隣の部の人がどんな人なのかは全然わからない状態でした。NECグループで、ものづくりをしている人たちに会いたい。そんな想いを持って参加しました。


アイデアにあふれるチームで、オリジナリティのある魔改造を。


―N社家電チームは、どんなチームでしたか?
家電チームは、30代~60代のメンバー30名弱で構成されていました。
その中だと私は若手かつNEC歴が浅いのですが、良い意味でその差を感じさせない、とてもフラットなチームです。皆が前のめりに取り組む最高のチームでした。
 
―サブリーダーとして意識していたことがあったら教えてください。
そんな皆に支えられながらチームビルディングをしていたので、サブリーダーとして役に立てていたか不安な部分もありますが、意識していたことは2つあります。
 
1つ目は、ネガティブな雰囲気を作らないことです。
ものづくりをしていると、必ず課題にぶち当たります。その時にネガティブに陥ると、思考が停滞してしまうと思うので、これでもかというほど新しい解決策を出すことを心がけました。
たぶん時間を掛けて考え詰めると、どのチームも最適解に辿り着けると思うんです。新幹線がどれも似たような形になっているのと同じように。ただ「魔改造の夜」は超短納期の取り組みなので、せっかくならオリジナリティのある魔改造をしたいじゃないですか。共に戦ったH置電機やN岡高専の方にも、視聴者の皆さんにも、面白いと思ってもらえるように、チームの皆でいくつものアイデアを試行錯誤しました。
 
2つ目は、参加メンバーの高いモチベーションを維持することです。
参加メンバーの中には、普段ものづくりに携わっていない人もいました。放送を見ていただいた方は分かると思うのですが、今回私たちはそんなに難しいことをしていないんです。ホームセンターに行けば、街行くお母さん/お父さんでも作れちゃうんじゃないか、くらいシンプルなものです。シンプルにすると、起きている課題がより明確になるので、知識の有無にかかわらず、「私にもできる」と感じてもらえ、より多くのメンバーが意見を出せる。そんな場所にできたかなと思います。

技術の力で、人間が出来ないことを可能にしたい。


―普段ものづくりに携わっていない方も活躍されていたのですね!

 海野さんは普段どのような業務に取り組んでいるのでしょうか?
指紋認証システムの開発をしています。
例えば、机の端っこに付着した指紋を取ってきて、何千万人、何億人の膨大なデータと照合するシステムです。大昔は専門家の目だけで照合していたものを、コンピュータと力を合わせることで、効率的に照合することが可能になりました。このように、コンピュータの得意領域を活用し人間には出来ないスピードで実現するものを作ることが、エンジニアとしてとても面白いと感じています。実際に、自分で手を動かしてプログラミングをするのも楽しいです。
 
―プログラミングの経験があったんですか?
学生時代からプログラミングはしていましたが対象はロボットの制御だったので、このような大規模な情報処理システムの開発は座学レベルでした。なので、今は何十年も取り組んできた歴史のあるチームでエキスパート社員に囲まれて、日々勉強させていただいています。「技術の力で人を助けたい」という想いを持って入社したので、それを叶える仕事ができていることも嬉しいですし、仕事をしながら勉強もできちゃうなんて一石二鳥だなと思っています。
 
―「技術の力で人を助けたい」と思ったきっかけは?
元々、ものを分解してそれを元に戻すことが好きな子どもでした。
高校で進路を考えた時に自分で0から作ってみたいと考え、電気電子工学科に進学しました。大学では研究室でも部活動でも、ものづくりに打ち込みました。「技術の力で人を助けたい」と思ったきっかけは、国立障害者リハビリテーション研究所との共同研究です。自分の学んできた技術が誰かの役に立つことを実感し、そんな仕事に就きたいと思い、今に至ります。自動運転みたいに人間が出来ることを代わりにやってくれる技術もいいけど、人間が出来ないことや不得意なことを助けてくれる技術って素敵ですよね。


これからも、面白いことに参加していきたい。


―今回「魔改造の夜」に参加して、海野さんの心境や日常に変化はありましたか?

今回結果的に私が下した判断で、チームのタイムを落としてしまったんです。こんな分かりやすいミスは今まで経験してこなかったので落ち込みました。焦っていたのもあり「これはいけるだろう」と検証が不足していた点が本番で仇となってしまったのです。そんな経験を経て、最悪の事態を想定して準備する姿勢が身についたと思っています。
 
あとは、「魔改造の夜」を通じてNECグループが掲げる行動基準(Code of Values)を体感することができたんです。
例えば「行動はスピード チャンスを逃さぬように」。
アイデアをすぐに試したことで、皆が納得して答えを出せた場面があって、スピード感をもって試すことの重要性を実感しました。行動基準を格言的な何かにするのではなく、「あの時のこんな感じ」と自分の中で例文を作ることができたような感覚です。洗濯物干しを勢いよく走らせるなんてことはこの先ないと思いますが、「魔改造の夜」での経験は今後の自分に活きてくると考えています。
 
―最後に、海野さんにとってかけがえのない日常を教えてください。
おうちでダラダラする時間も大切ですし、なんか面白いこと出来ないかな~と考えている時間も好きです。エンジニア特有なのかもしれませんが、日常生活の中で「これ自分で作れるかも」と思うことがあるんです。最近だと、特定小型原動機付自転車(電動キックボード)って自分で作れるんじゃ?と思い立ってAmazonで部品を買って作り始めました。最終的には公道を走れるようにナンバープレートを取得したいと思っています。
 
他にも副業を通じて、面白いプロジェクトに携わらせてもらったりしています。例えば、国際宇宙ステーションで人間の代わりに働くロボットの基板設計とか。地上では、ぬか床を監視するIoTデバイス、そばの実の収穫時期を知らせるIoT デバイス、倉庫で働くAGVの開発などなど、色々と携わらせていただいています。これからも公私ともに、面白いことに出会える機会を探し続けて、日常を魔改造していきたいです。

そんな海野さんが参加した「魔改造の夜」についてもぜひご覧ください!
NHK「魔改造の夜」 NEC特設サイト

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