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「給食を食べた」という報告

「今日は、学校で何してきたの?」

と息子に尋ねると

「給食を食べた」

とだけ言った。なんだよ、その報告。

今日から息子の通う小学校も再開。三か月ぶりの小学校だし、友達と会えて嬉しかったとか、どういう授業をしたとか、そんな報告を期待していた。

「給食は、何だったの?」

「わすれた」

会話が続かない。今日、配られた給食の献立のプリントを見ていたら「コッペパン、肉団子、コーンスープ」と書いてあった。コーンスープにコッペパンをつけて食べたんだろうな。

午後8時、新型コロナウイルスの終息を願い、全国一斉に花火が打ち上げられた。花火の音が聞こえた瞬間、二階にかけあがり、ピカチュウ部屋と呼ばれている書斎から窓の外を見てみたが、見えるのはご近所さんちの屋根ばかり。いつも通り変わらない景色だ。どこで打ち上げられていたんだろう。

花火が終わった頃、床にピカチュウのぬいぐるみが何匹か転がり落ちているのに気がついた。ピカチュウがたくさん飾られている棚から転がり落ちたんだろうな。そういえば朝、大きめの地震があったな…と思い出す。

「ピカチュウの弱点はじめんタイプの技だもんね」

と息子が言った。ああそうか、ピカチュウたちも地震が怖かったんだね、と元居た場所に戻してあげた。