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11月の振り返り

月の終わりに、今月の振り返り。2022年11月はどんな月だったかな。

東リ町アートフェス

藤沢市片瀬町(旧東リ町)のアートフェスに今年も参加しました。知人が運営をしているので、アーティストとして参加!今年も、ハンコで絵を描きましたよ。

「富士山」ハンコで描いた富士山。今回は、初の赤富士。元ネタは、北斎さんです。まぁ、あんまり似てないけど。雰囲気だけね。

そのまま作品を現地に持って行って、その場で描きたし。プチアーティストインレジデンスなのです。ハンコ絵だけでなく、筆ペンで描いた女性の横顔の絵も持っていきました。どちらも、この作品を鑑賞するお客さんが自由に絵に描き足していって、完成するという作品です。会場に、筆ペンと、ハンコをくっつけた状態で展示し、「ご自由にお描きください」という形式。さてさて、描いていってくれた人はいただろうか。

そしたら、その帰り道にとても美しい富士山が見られて、感動です。こっちが、本当の赤富士なんだろうな。

と、このアートフェスの会場で使う、スタンプラリーのハンコをデザインさせていただきました。9個作ってお渡ししたのですが、私が訪れた時はそのうちの7か所しかやってなくて、全部のハンコを押すことはできなかった。なかなか、ハードルが高いスタンプラリーです。

越後謙信きき酒マラソン6回目!

今年で6回目の参加となる、越後謙信きき酒マラソン。直近2回はオンラインでリモートからの参加だったので、現地を走れるのは3年ぶり。マラソンなのに、石段を上って神社に参拝したり(しかも2回!)、ダムが見えるエイドステーションでなにやらゲームをしたり、蕎麦を食べたりパンを食べたりキノコ汁を食べたりその場で焼いた肉を食べたり大根の味噌漬けを食べたりかまぼこを食べたり。食べる率がかなり高めのマラソンで、極めつけはゴールした後の利き酒タイム。お題となるお酒を飲んだ後、15種類のお酒の中から正解を見つけます。聴き酒に慣れている人ならともかく、普通のひとが15種類のお酒を飲んだら、最初にどれを飲んだかなんて覚えられないです!利き酒が終わったころには酔い気分。あ、ゴール直後にスキー汁とおにぎりも食べた。そんなマラソン大会です。

エキストラ初出演

今年の夏に、気まぐれエキストラの事務所に登録してみたんですよ。それ以来、いろんな案件の案内が来ていて。「参加してみたいなー」と思うのですが、なかなか時間や条件が合うものが来ない。平日は会社員をしているので、参加できるのは基本的に週末や深夜だけなのですよ。

でも、どうしても参加してみたい案件が舞い込んできたので、有休を取って参加してみました!詳しくはまだ公表できないので、これについての詳細はまたいつか。

なんとカプセルハウスKに泊まれた!

今年あって出来事のなかで、とにかくうれしかったのがこのカプセルハウスKに泊まれたこと。

あの、中銀カプセルタワービルと同じコンセプトでつくられた、こちらは戸建ての別荘タイプ。4つのカプセルユニットを組み合わせてつくられています。中銀カプセルタワー同様、こちらも黒川紀章さんによるもの。現在は、息子さんの黒川未来夫さんが管理していて、なんと最近民泊ができるようになったのです。

2019年に私が1か月間住んでいた銀座八丁目の中銀カプセルタワービル。50周年を迎えた今年に解体され、とても寂しい思いをしていたので、こちらのカプセルハウスに泊まることができて本当にうれしかった。内装が、本当に懐かしい。むしろ、こちらのカプセルハウスKの方が保存の状態が良いので、なんなら少し昔にタイムスリップしたような。平面ではなくキャノピー型の窓からは、長野の木々が見えます。自然の中に建つカプセルハウス。

素敵な体験でした。

Slow Art Collective Tokyo

オーストラリアのアーティストユニット、Slow Art Collectiveが大手町で市民参加型のアートプロジェクトを展開する、と。しかも、それが東京ビエンナーレのプレイベントの一環として。これは、どうしても参加したい。

というわけで、スタッフ募集に手を挙げて説明会に行こうとしたら、急遽当日の予定が変更となり、なにやら施工スタッフに紛れ込んでガチの会場づくりを手伝うことに。優美堂の「優しい施工チーム」の一員としては、これは願ったりかなったり。最高にラッキーです。

足場と竹を組んでいって、どんどん会場を設営していきます。

初日から4日後。会場の設営やロボティックス制御の楽器などが設置されていく中、再びお手伝いへ。この場所でワークショップをやらせてもらうことになり、そのファシリテーターという役割で。会場にやってくるお客さんに、作品のコンセプトの説明や、参加方法などをデモンストレーションをしながらお教えしました。

そして、27日には、私が先生役になって工作ワークショップを開催。

……の予定が、体調不良のため中止に。いろいろと、ワークショップに必要な資材を購入したり、事前のシミュレーションや試作品をつくったり、何度も現場の視察などもしてきたのに、残念です。

でも逆に、今回最後まで参加できなかったことで、このままもっとこのSlow Art Collectiveの活動に参加したくなりました。来年の東京ビエンナーレには、またSlow Art Collectiveのプロジェクトが展開されるとのことなので、その時にまたしっかりと参加できるようにしたいです。

イラレはお友達

11月には、妻の依頼でチラシをつくったり、子供向けの絵本づくりワークショップの先生役をするために絵本のテンプレートをたくさんつくったり、もちろん前述のスタンプなども含めて、Adobe Illustratorを使っていろいろ作ってました。

妻の依頼でつくった、ピラティスレッスンのチラシ。せっかく作ってラミネートまでしたのですが、なぜか作り直すことに。もしこれがクライアントだったら絶望的ですが、妻なので「はい!よろこんで!!」と、4回くらい作り直し続けましたよ。

絵本のテンプレート。A4の紙1枚で、1冊の絵本をつくるというワークショップです。紙を折って、切り込みを入れて、折って貼ると本が完成します。あとは自由に内容を描き込んで、タイトルと名前を書いたら完成!50冊分くらいのテンプレートを用意したのですが、1日のイベントで全部使い切りました。

ワークショップ、大盛況でした。子どもたちが、率先して先生役を手伝ってくれたので、安心して任せながらワークショップをやることができました。

このワークショップを開催したのは、「かえっこ」という藤浩志さんがご家族と一緒に20年以上前に始めたおもちゃの交換会のイベント。10年前から、3331 Arts Chiyodaで開催する際に、こうした工作ワークショップをやらせてもらってます。今回で、何回目になるんだろう。娘が小さいころは、一緒に先生役をやってましたが。今では娘がもう高校二年生。当時一緒に工作をした子どもたちも、もう大きくなったんだろうなぁ。

ちなみに、前回のワークショップでは、子どもたちと一緒にこんな箱をつくりました。

おもちゃを入れる箱なんですけど。なんだかわかります?

そうです、中銀カプセルタワービルのカプセルを箱のデザインにしています。たくさん重ねると、メタボリズム建築が再現できます。この箱をつくって、ここにぴったり収まるようなおもちゃを見つけたら、箱と一緒に持って帰って良いですよ、というワークショップでした。箱のサイズと中の空間をイメージしつつ、会場にあるおもちゃのなかから適切なサイズで、しかも自分が欲しいと思うおもちゃを探す、と。これもなかなか、楽しいワークショップでした。

とりあえず、今月はそんな感じですかね。

作品鑑賞

自分がお客さんとして作品を鑑賞しにいったものをいくつか。

まずは、落合陽一さんの「ヒューマン/コード アンサンブル」。

僕は、1992年か3年に、落合信彦さんの講演会を観に行ったことがあるのですよ。ダンディーな作家さんで、登場してくるときに来ていたジャケットをポーンと袖に向かって投げたのがかっこよかった。で、それから30年近く経って、今度は息子さんが演出と出演をつとめるライブイベントを観に行った、と。面白かった。テレビで見たことのある、ボディハッキングの第一人者ステラーさんが出演。そのつながりで、客席にケロッピー前田さんもいらっしゃって。実際にお目にかかると背が高かった。

昨年の東京ビエンナーレでお目にかかって、優美堂プロジェクトがきっかけで作品を提供していただいたり、つい先日の3331 Art Fairの設営にも参加いただいた森藤さんが展示をするということで、神保町のリノベ間際のビルへ。むき出しのコンクリートをフロッタージュの手法で紙に凹凸を写し取るという作品です。私もしっかり参加してきましたよ。

長野でカプセルハウスKに泊まった帰り、ちょっと時間があったので高崎で途中下車。ぶらり歩いていたら、目の前に高崎市美術館が現れ、しかもなんとミュシャ展をやってるではないですか!もちろん、吸い込まれるように中に入って作品を鑑賞してきました。2016年と2017年にチェコを訪れ、すっかりチェコが好きになり、「チェコが好きだ」と言い続けてたら、2018年からチェコ親善アンバサダーに任命していただきました。六本木の国立新美術館でミュシャ展をやった時は、オープニングレセプションからがっつりと鑑賞させていただきました。この、チェコ人のアーティストミュシャ(チェコ語読みだとムハ)も、もちろん大好きです。

会場に展示されていた、小さなサイズの「スラブ叙事詩」シリーズ作品の複製を見ながら、あの巨大な作品群の実物を見た時の感動をしみじみ反芻しました。良い作家さん、良い作品ですよね。またあの作品を見る機会がいつか来ると良いな。ミュシャがあの作品を描いたアトリエ空間へ訪れたことがあります。家というか、巨大なお城の部屋をそのままアトリエにしていたようです。さすが、あの巨大なサイズの絵を描くのだから、部屋も巨大ですよね、当然。そんなこともあって、ますますミュシャ(ムハ)が好きなのです。

ミュシャ展のついでに、井上房一郎邸にも立ち寄ってみました。気づかずにいったん美術館の外に出てしまったのですが、どうやら美術館の1階からこの邸宅を移築した展示を見ることができるらしいと気づいて、戻りました。

全然予備知識もなく、こちらも行き当たりばったりの鑑賞だったのですが、この建築はアントニン・レーモンドさんによるものなのですね!日本で活躍した、チェコ人の建築家さんです。ここでもまた、チェコの繋がり!全く予期しない偶然が重なって、なんとも嬉しくなりました。しかも、カプセルハウスKからのかえりだったので、建築の細かいところまで「すごいなー」と感動したり。そこもまた、繋がってました。

この日、高崎に立ち寄った本当の理由は、この山田かまち美術館を訪れることでした。これもまた1993年だったと思うのですが、10代の頃に僕はこの美術館を訪れたことがあります。無名の高校生が、死後その絵画や詩が認められて、美術館にまでなった、と。飾らない、むき出しの作品。それが、人の心に訴えかけるものがあった、と。

あれから30年経って、再びここに訪れたどんな風に感じるかな、と。今、自分は48歳。さすがに、10代の頃と同じではない。でもやっぱり、感動するんですよね。10代の頃に戻るというより、48歳の自分が10代の頃の自分を思い出しながら、その頃のまなざしで作品を見るというような。

山田かまちさんの作品に出会った頃は、まだ自分がその後大学でアートを専攻することになるとは思ってもいなかったけど。もしかしたら、あの時「アートを学びたい」と転部を決意した時、彼の影響が少なからずあったのかもな、とか。自分の中で表現したいという欲求があって、それをありのままに出して良いんだよと気づかせてくれたのが山田かまちさんだったように思う。意識してというより、それは無意識の中でのことだったように思う。

それもまた、セレンディピティ。アイヌの「トゥレンカムイ」なのだろうな。いろんなことが、実は繋がっている。


「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。