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私の絶滅危惧動作~叱咤激励~

 私が最近やらなくなった動作?に叱咤激励がある。
 以前は何か行動を変えたいときに「これではダメだ、しっかりしろ」と自分を奮い立たせる必要があった。「ダメじゃないか、もっと~でなければ」と自分に言い聞かせていた。それが最近は「~したい」だけでだいたい動けるようになった。

 「そういえばオレ最近叱咤激励していない」と気がついた瞬間があったことを覚えている。どうして叱咤激励しなくなっただろう? と考えて思いつくのは、「自分はそうそう変わらないものだ」と腹落ちしてきたからだということ。

 私は自己啓発本に依存していた時期がある。「俺はダメだ」と自己否定して気分を落ち込ませたうえで書店に行き自己啓発本を物色する。気持ちが晴れる言葉を見つけるとその本を購入する。多い時にはそうやって月に数冊以上の本を買っていた。塞いでいる気分を高揚させるために読んでいた。このように消費される自己啓発本をキャリアポルノというらしい。
 キャリアポルノで定番のメッセージに「他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる」がある。この言葉自体は正しいと思う。実際、私は変われた。叱咤激励をしなくなった。
 ただ、それは「自分はそうそう変わらない」と腑に落ちたからだ。「自分と未来は変えられる」と思い「変われない自分はダメだ。変わろう。変わらねばいけない」と叱咤激励していた時期には変われなかった。変われないと気づいたら変われたのだ。この逆説!

 解いてみよう。
 「変わらねば」と叱咤激励しているときは「変われる」と思っている。簡単に変われると高をくくっているから、その変えたい問題の実像に即して取り組もうとしていない。だから変われない。
 これに対し、変えたい問題を正面から受け止めその実像に即して取り組もうとすると、「これはそう簡単には変わらない」と気づくことができる。「変わらない」と思えば叱咤激励は止まる。
 「私はコレで叱咤激励をやめました。」

(798字)


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