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美容百物語 第二夜 「で、VIOどうしてる?」

スーパー銭湯に行ったとき。

湯船に浸かりながら、「あ、ない」とか「指1本かぁ」とか。「あの人はナチュラリストなのね」と周りをきょろきょろ。ちょっとだけ。

もしくは新しい下着を買いに行ったとき。

憧れのオーバドゥやサルートにて。清水の舞台から飛び降りる覚悟で単品1万円以上するブラを選び、「お客様、ショーツはいかがなさいますか?」と言われたとき。どうする私?と布面積が小さいのに価格が高いTを手に取りながら。Tを選ぶ私は「アリ」か「無し」か。ズボンに響かない?嘘?本当?マインド的に「アリ」か「無し」?何より、はみ出るか出ないかってこと。うぐぐぐ、どうする私。

「アリ」の方が「アリ」な気もする。でもSATCのサマンサのごとく、ある日突然、そこに白髪を見つけて女としての自分の存在が「無し!!?」と衝撃を受けるかもしれない。でも「無し」の方が文化的に「アリ」で、清潔と言われることもあるし。でもなんとなーく遊んでそうに見られることもあるかもしれない。

「アリ」か「無し」かでこれほど頭を悩ませたり、人格やスタイル、生活背景まで想像できる毛って他にある?

私たちはとてもワガママで、パーツによって脱と育を使い分ける。まつ毛は生やしたいけれど指毛はちょっと嫌かも。学生の頃、授業中に抜いていたのは私だけ?眉毛とか。

夏のノースリーブ。誰も見ていないだろうけれど、自信がない日は電車の吊り革なんてつかめない。でも、冬になれば80デニール黒タイツでどうにでもなる。1本や2本なんて誤差。気にしない。ボディケアもおざなりで、すねに粉が吹いていても問題ない。デニール天才、感謝。隠しちゃえばどうにかなる。でも、髪は豊かな方が善とされている印象。性別問わず。

「本当に生えた!」と生え際を見せながら息を巻いて話していた知人(他がちょっと元気をなくしても)。やっぱり、毛って人にとって(動物にとって?)そのくらい大事なのだろう。自信や自己肯定感につながるもの。確かに私も、美容室へ行ってから3週間を過ぎると誰にも会いたくなくなる。我が家系は白髪体質で、私は30歳を過ぎた頃から白髪染め。本当は2週間に1度は美容室へ行きたいけれどお財布の都合上。ね。かと言ってセルフには抵抗が。うまくできる気がしないし。

上か下か話は逸れたけれど、ワガママな私にとってどの塩梅が正解なのか。不快に思われる方もいるかもしれない。もしそうならば自己判断で離脱を。でもちょっと気になるなら。一緒に考えてみましょ?「私にとって」のVIO。

以前、有楽町のワイン専門店にて「VIOワイン」と書かれたポップがあった。恐らくBIOワインのコーナーだと思うのだけれどワインに疎い私は、誤字なのかそういうジャンルがあるのか・・・目を丸くしてドキドキドキ。いや、ドキドキどころではない。だって、友だちでもよほど仲のいい関係でなければ触れない話題(少なくとも私は)なのに堂々と書かれた「VIO」。今思い出してもドキドキしちゃう。そういうジャンル、ありますか?詳しい人教えて。

自分で決めたテーマなので、覚悟を決めて独白から。

私はナチュラリスト。でも、海外やビーチに行くとき、つまり水着を着たいときは「無し」。ノルカソルカ。切るか剃るか、ブラジリアンワックスか。

いいサロンがあって。清潔感がありおしゃれで落ち着いた雰囲気のサロン。最近はブラジリアンワックス以外にハリウッドブロウの施術もはじめたらしく、これは「美の殿堂」というか「毛の殿堂」。皆さん親切でプロフェッショナル。0にしたいと相談すれば、たった1本すら残らない・・・サヨナラ私。ほっかほかのワックスを塗られ、来るぞ来るぞと緊張しながら剥がされた瞬間の放心状態。場所によってはその衝撃に大笑い。優しいスタッフの方たちは、何気ない会話で気を紛らわせてくれます。談笑しながらあっという間の30分。どんなハイレグでも堂々とビーチを歩けるような、生まれたばかりの姿に。はい。

20代の頃は光脱毛のサロンに。なのに30代後半、わざわざブラジリアンワックスに行く理由はたった一つ。光脱毛のサロン、経営破綻し廃業してしまった!あり得ないんですけど!

子供の頃から体毛が濃く悩んでいた。「大人になれば薄くなるよ」と言われ育ったけれど、50、60歳の家族から言われても多感なお年頃の私は「そんなの待てるかい!」と、ボーナス一括にて全身光6回にさらにオプションを付けて10回コース。契約したはいいけれど脱毛サロンにありがちな予約の取れなさで放置していたらこのザマ。20万ちょっと。1円も返ってこなかった。

ちなみに光のVIO。もう10年以上前の話になるので補正がかかっているかも。私の感想は「勢いよくミシン針を刺されたよう」。ぶす、ぶすっと極太ミシン針を刺されるたびに(ミシン針ではない)腰が浮いて大泣き大笑い。どうしてお金を払ってまで痛い思いをしなければならないのか。それほどまでに、毛って大きな問題。「アリ」か「無し」か。

さて。

少しずつ、国内で移動しやすくなり、成田や羽田も通常運行に戻りつつある模様。

あっという間にゴールデンウィーク目前。体を絞る、作る、にはちょっと時間が足りないかもしれないけれど、ブラジリアンワックスなら30分。べっつにプールサイドでちゃぷちゃぷするだけならショートパンツを履けばいい。それなら在宅の運動不足で垂れたピーマン尻も隠せるし。ただ私の中で、以前の勤め先の上司が言っていたこの一言。忘れられない送別の言葉。

「40過ぎたら黒ビキニ。あのね、誰も見てないから。40過ぎたらいろいろ吹っ切れるから」

ああ、チーフ、私もそちら側の人間のようです。

湘南を、ホノルルを、モルディブを。ハイレグ黒ビキニで歩きたい。

いいんです。すべて自分のためだから。骨盤矯正をして体の歪みを取り、ピラティスでインナーマッスルを鍛えたい。シックスパック引っさげ桃尻黒ビキニでビーチを歩きたい。

アラフォー?

最高ですよ。

今年はVIO「無し」、も「アリ」かもしれません。

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