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くろとぴんく⑤
2024年3月19日
総合病院に行き、主治医の先生に会う。
姉妹で患ったので、遺伝子検査をすることになった。
これからの治療について話を聞く。
なんだか自分の話ではないような、また客観的に自分を見ているような感覚があった。
2024年4月10日
知人が紹介してくれた、乳癌サバイバーの女性と会う。
ポジティブで親切で、美意識の高い素敵な女性だった。
去年の春に乳癌を患い、全摘してエキスパンダーを入れたとのこと。
私はこの時に、エキスパンダーという言葉を初めて知った。バーガーみたいな可愛いネーミングだが、再建に使う詰め物の名前だ。
一年前は、今の私と同じように不安と恐怖のどん底だったけれど、治療を頑張ればその後はきっと大丈夫!と明るく笑う。入院中はこんな感じで事が進むよとか、術後はこんなのがあったらよいよ、といろいろ情報をくれた。
私は再建については決められずにいた。
医師も、「迷うなら今はしないで、やりたくなった時にすれば良い。」と言っていた。
これから自分が体験する治療と手術への心の準備が少しできたような、できていないような。
入院までの日々。
私のような経験をする人が、手術前にフォトを撮って、傷ができる前の身体を写真に残すというものがあるらしい。
そのフォトを撮るなら、今じゃなくて妊娠出産前の1番綺麗な時に撮ればよかったか、今撮っても別に意味ないか、とそんな話を娘にした。
「プライベートゾーンは他人に見せちゃいけないところだから、私が綺麗に撮ってあげる!」と言うのでお任せしてみた。
さっさと済ませると思っていたら、予想以上に真剣に、一時間半もじっくり時間をかけて撮影してくれて、素敵な写真ができた。今までフォトスタジオで撮影してことがあって、ちょっと憧れていたらしい。
仕上がった写真の完成度が高くて驚いた。
あなたに飲ませたわこのおっぱいで母乳を。
良く育ったものだわ。
手術後にこのフォトを見た時に、自分はどんな気持ちになるのかなあ。
2024年4月12日
入院前検査で受診
先日の遺伝子検査の結果は陰性で、たまたま姉妹で、9人に一人の同じような交通事故にあったようなものらしい。
遺伝子要因でなく、食事も気をつけていたのに若いうちに患ったのは、ストレスもあるらしい。
今後はなるべくストレス少なく過ごせるように、気をつけていこう。
「おばあちゃんまで元気に生きられるかな。。」とまた突然のネガティブ発現を口にすると、主治医の先生は「このタイプの乳癌は必ず治ります。」と言った。
「あと、左側の背中がピリピリする事がある。こんなの今までなかった感覚で、身体の中で悪さをされてる感じがして怖い。」
と伝えたら、
「手術したら絶対それも治ります。」
と言った。
2024年4月14日
あれそういえば、手術してないのに、背中のピリつきがなくなっていることに気づく。
単純である。
一方、自分の確認行動がどんどん増えていることに気づく。
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