『優れたリーダーはみな小心者である』
タイトルを見た瞬間、心惹かれた本です。それだけ自分が小心者であるということですが…
株式会社ブリヂストン元CEOの荒川詔四さんの書かれた本です。
帯には、「内向型人間こそ本物になれる。」とあります。一般的なイメージとして、リーダーこそ大胆さや豪胆さが求められると思います。とにかく改革が必要なときには、強引さも必要です。
しかし、その横に、
○心配性こそ「先見性」のもと
○「不安」だからこそ思考が深くなる
○「小心な楽観主義者」が最強
とあります。
確かに、そうかもしれない。
小心者の自分を勇気づけるために、読んでみようと思いました。
とはいえ、荒川さんは当然ながら大胆な決断、思い切った判断をしてきています。どうして、小心者なのにそれができるのか?
読んでいくとそれがわかります。
心配性だからこそ細部まで徹底的に考え抜き、臆病だからあらゆるリスクに備えて準備を怠らない、そしていざというときに決然とした意思決定を下す。
確かにこれは小心者だからこその力です。
荒川さんは入社2年目のタイでの失敗から(詳細は読んでみてください)、相手の気持ちを思いやる「繊細さ」こそが武器になると気づきました。相手を無理やり動かすのではなく、魅力的なゴールを示して、メンバーの共感を呼び、一人ひとりの主体性を尊重してチームが自然と動き出す状況をつくる。これこそがリーダーシップだといいます。
変化の激しい現代では、現場の最前線で働いているメンバーが感じ取る世界の変化を、いかにトップがつかみ、適切な対応をするかが、勝負を分けるといいます。
また、部下がミスを犯したとき、あるいはトラブルが起こったとき、感情的に叱ってしまったり、慌てたりすることがあります。
しかし、荒川さんは合目的的に考えて、それは何の意味もなく、むしろ「順調にトラブルが起こっている」(隠蔽されるのではなく、きちんとトラブルが自分のところまで上がってきている)と考えて、解決のための適切な対応を考えるそうです。
こうして最悪の事態、リスクに対処し、そして多くの修羅場を潜り抜けていくことで、大胆な決定ができるようになるのです。
荒川さんは単なる「小心者」ではなく、「徹底できる小心者」なのだと思います。
不安に対して徹底的に準備をして、いざというときに備える。だからこそ、いざというときにきちんと決断できるのです。
今の自分はただの「小心者」です。
この「小心者」であることを活かせるように、努力しないといけないですね。
これから繰り返し読むことになりそうな本です。
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