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6632 JVCケンウッド 取引記録

前回デイトレの記事を書いたのですが、本来は1~3ヶ月の期間でトレードしています。今回は6632 JVCケンウッドの取引記録を振り返っていきます。
なお、この記事内での分析は間違っている可能性があることをご留意ください。

JVCケンウッドとは

2008年に日本ビクターとケンウッドが経営統合して生まれた会社です。JVCやVictorなどの自社ブランドを持ち、オーディオ製品で有名です。読者の中にも同社のイヤホン・ヘッドホンを使用している方がいらっしゃるのではないでしょうか。

ファンダメンタル分析

事業内容

2Q決算資料から事業の実態をみてみます。

2024年3月期 第2四半期 決算説明プレゼンテーション資料 p.6,29

JVCケンウッドは
M&T (モビリティ&テレマティクスサービス分野)
S&S (セーフティ&セキュリティ分野)
ES (エンタテイメント ソリューションズ分野)
の3つの収益の柱で成り立っているようです。

なじみのあるオーディオ製品はES分野ですが、売上全体のほんの17%に過ぎません。さらに事業利益ではほとんど寄与していないことがわかります。M&T分野は薄利多売で昨年比でほぼ横ばい。S&S分野は利益率が良く、昨年比で売り上げを伸ばしています。
S&S分野を掘り下げてみましょう。

S&S分野

2024年3月期 第2四半期 決算説明プレゼンテーション資料 p.13

海外での無線事業が好調なようで、堅調に売上・利益を伸ばしています。質疑応答でも無線システムについて触れられています。

2024年3月期 第2四半期 決算説明会の主な質疑応答

まとめると
・海外(特に米国)では、危機管理意識の高まりに伴って無線の需要が伸びている
・下半期も上半期並みの売上が見込める
・競合他社はわずかで参入障壁が高い
・競合他社のA社は大都市圏にフォーカスしているが、当社は地方都市に対応しており棲み分けができている

米国の無線事業は場所を選べばブルーオーシャンのようですね。

2Q決算

2024年3月期 第2四半期 決算短信〔IFRS〕

同時に上方修正を発表しており、進捗率は
売上  49.2%
純利益 64.3%
無線事業の好調継続、下半期優位の利益を考えるとやや保守的と思われます。

テクニカル分析

週足チャート

近年では毎決算を経て株価がジャンプアップしています。ボリバン+2σで上ヒゲをつけ、移動平均線でしっかりと反発しており、きれいな上昇チャートを描いています。

日足チャート

2Q決算で上方修正・自社株買いを発表したにもかかわらず、なぜか株価が一時的に下落しています。この2ヶ月間はレンジ内で動いています。

JVCケンウッドは買いか?

3Q決算発表前の時点でのまとめです。

プラス材料
・PER約10倍で割安感あり
・業績推移は堅実で成長余地あり、通期業績予想も上回りそう
・増配、自社株買いの余地あり(後述)
・週足チャートできれいな上昇、日足チャートでレンジ下限

マイナス材料
・前年度3Qで土地の売却益あり、YoYで見栄えが悪い
・2Q好決算後に原因不明の株価下落

マイナス材料はいずれも業績に関係なく、決算発表直前での購入を決めました。

3Q決算

決算短信

2024年3月期 第3四半期 決算短信〔IFRS〕

売上  75.3%
純利益 104.0%

3Qも引き続き好調で一安心。一方で、純利益は通期予想をすでに上回っているのに上方修正や増配の発表はなく肩透かしを食らいました。

質疑応答

質疑応答で上方修正をしなかった理由が述べられていました。

2024年3月期 第3四半期 決算説明会の主な質疑応答

自動車メーカーの不正や地震の影響で業績が不透明とのこと。事業利益は最悪値で10億円らしいですが、これでは4Qの純利益が5億円しかない計算になります。・・・さすがに保守的すぎないか?

配当・自社株買いの検討

3Qでの増配・自社株買いはありませんでしたが、本決算に向けてどうなるか検討します。

2024年3月期 第2四半期 決算説明プレゼンテーション資料 p.20

昨年に発表した新中期経営計画では総還元性向30~40%を掲げています。2022年度の総還元性向は37%のため、十分に実現可能性があります。
3Q単体の純利益が42億円、累計で109億円。4Qが3Qと同等だと仮定して、通期で約150億円の純利益を見込めます。その35~40%が還元されるとして、総還元額は52.5~60億円。今期は25億円の自社株買いを実施済で、現時点の配当総額は約12億円です。還元の内訳は配当40%、自己株取得60%とのことなので、これを参考に残りの割り当てを考えてみましょう。

①2回目の自社株買いを実施するパターン
②配当金のみで還元するパターン
    配当金      +  自社株買い = 総額
  8円(12億円)   25億円   37億円
14円(22億円)   33億円      55億円
21円(32億円)     25億円     57億円

いずれの方針でも還元のインパクトが大きいことが予想できます。

海外の無線事業は好調を維持していること、通期業績が保守的すぎること、本決算での増配・自社株買いのインパクトが大きそうなことから本決算まで株を持ち続けることを決めました。

取引記録

1/30-2/1
711-734円で計14000株購入。平均取得単価は720円くらい?売却タイミングはレンジ上限の780-790円くらいを想定。
2/1引け後
3Q決算発表
2/2-7
決算後、株価は大幅に下落。様々なテクニカル指標を下に突き抜ける。
狼狽するも、上記の理由から本決算まで売らないと握力を強める。2/2,2/6に計7500株買い増し。
2/8
野村より目標株価の引き上げ950→1100円が発表。正直かなり救われた。ありがとう野村。
2/9-22
野村の発表に動意づき株価上昇するも、レンジ下限のラインで反発してしまう。下がってきたところで1000株買い増し。数日後、三角持ち合いになっていることに気づく。出来高も細ってきたので、2月中に株価が動かなければすべて売却することを決める。
2/26
期待通り株価が上に抜けてくれる。高値で掴んでいた4500株を737円で売却。
ここで残りの株の売却タイミングを再考する。過去の上昇チャートを振り返るとMACD-シグナル>15とボリバン+2σで天井をつける傾向にある。780-790円のレンジ上限で調整するようならそこで、上に抜けるようならこれらのテクニカルに沿って売却することを決める。
2/29
出来高を伴う強い上昇チャート。レンジ上限をすんなり抜け、ボリバン+2σに到達。820-822円で4500株、827-829円で3000株を売却。
3/1
MACD-シグナルが15を超えたので846-848円で2000株売却。残りの8500株を大引けですべて売却。まだ上値余地はありそうですが、決めたルールを守り素直に撤退。

合計で270万円の利益でした。

総括

自己最高の利益を出せたことは素直にうれしいです。反省点としては2Q決算後の株価下落を見ていたにもかかわらず空売りでリスクヘッジしていなかったことですね。常に勝ち続けることは絶対にないので、慢心せずこの投資方針を続けていきます。また爆益報告ができますように。

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