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続、インピーダンスとバッファついて

はじめに

皆様こんにちは。
今回は前回の記事の続き、インピーダンスについてもう少し書いていこうと思います。
今回は、ピックアップについて、またエフェクターのバッファについてです。
お時間があればお付き合い下さい。

ちなみに前回の記事はこちら↓

https://note.com/tolataka/n/n8aa86ea36150

ペダルについて

前回の記事では主にハイインピーダンス、ローインピーダンスについて、またバッファについて書きました。
これらの知識を踏まえて、今度は他のエフェクター(以降ペダルとします)におけるバッファについて書いていきます。

ギターやベースをやっていてペダルを使う方は聞いたことがあると思いますが、トゥルーバイパスという言葉があります。
トゥルーバイパスとは、
「ペダルをオフにしたときに内部の回路を通らず、原音に近いままアウトプットする」
のような解釈で間違ってないと思います。
前回の記事で、
「ペダルをオンにしたときはバッファを通っている」
と書きました。そしてオフの時が重要とも書きました。
そこに関係してくるのがトゥルーバイパスバッファードバイパスです。
記事の後半でKTRやケンタウルスのバッファについても触れましたが、KTRはバッファオンオフの切り替えスイッチがついています。 

  1. オフ時バッファを通る→バッファードバイパス

  2. オフ時バッファを通らない→トゥルーバイパス

の切り替えができるということですね。

トゥルーバイパスについて


何年か前ブティック系ペダルが流行り始めた頃(個人的印象だと、fulltoneやlovepedalが台頭してきたあたり)は、トゥルーバイパスを売りにしてるブランドが多かった気がします。
ではトゥルーバイパスがいいとこばかりなのか?というと、一概にそうはいえません。

改めて説明すると、
トゥルーバイパスではペダルがオフの時、そのエフェクター内部の回路を通らず、最低限しか通らないことで原音が維持されます。
しかし維持されるということは、インピーダンスもそのまま通るということ。つまり、ハイインピーダンスのままアウトプットされるということです。
これを良く言うなら、原音に忠実。悪く言うなら、ノイズ等の影響を受けやすいままの信号。
こうみると一長一短あるな、と思います。

ギターの音作りをするとき、原音を保ったままエフェクターを繋げてアンプから音を出したい、という人にはいい仕組みだと思います。
かといって過信してトゥルーバイパスのペダルを繋ぎまくると、原音から露骨に劣化してしまうというジレンマを抱えています(バッファでローインピーダンスに変換されていないハイインピーダンスの信号の為)。
また蛇足ですが、この形式でペダルがオフだとペダル内部の回路を通らない為、電池(電源)がない状態でも音が出ます(勿論オンにしたら回路を通る為音は出ません)。

バッファードバイパス


それではトゥルーバイパスの対になる、バッファードバイパスはどうなのか?
バッファードバイパスの形式を採用しているのは大手だとBOSSが有名だと思います。
バッファードバイパスは、ペダルがオフの時もバッファだけは通す形式です。
そもそもバッファアンプはインピーダンスの変換、つまり音の信号を電気的に保護してくれる役割を持っています。

ではデメリットはどうか。
それは、ペダルがオフでもバッファを通っている為、完全に原音のままではない、ということです。
いくらバッファが「原音に忠実」「音痩せしない」と謳っていても、回路を通っている為100%原音とは言えない、というところでしょうか。またバッファの品質や種類によって通過後の音が異なり、場合によっては原音から大分離れた音になってしまう可能性もあります。

2つの形式を比較してみて


僕個人の意見では、どちらの形式もその人の機材環境によって使い分ければいいかなと思います。
例えば、最初に
バッファードバイパスのペダル→トゥルーバイパスのペダル→トゥルーバイパスのペダル…
というように、一番最初のペダルにバッファードバイパスを置けば、それ以降はローインピーダンスで送れるので、両方の利点を活かせるかなと。
この点を踏まえると、バッファは最初に繋いだ方が効果を発揮してくれる様な気がします。
(追記しました 2022/1/24)

これはバッファードバイパスのペダルに限ったことではありませんが、もしバッファを繋ぐのであれば最初に繋ぐのが効果的かと思います。
自分が思うギターにおけるペダルの繋ぎ方なんですが、
後の方(アンプに近い位置に)に繋いだペダルほど効果が強調される
と思っています(ここで書くとまた長くなるので、ペダルについては別で書くことにします…)。

上についてちょっと訂正します。
自分個人の所感では後の方に配置したペダルの方が効果が出ると思うのは変わりませんが、バッファに関しては信号を変換する効果を有効に使うなら、やはり最初に繋いだ方が良いかと思います。
ただ最初にバッファ(もしくはバッファードバイパスのペダル)を配置、そして最後にバッファを配置する(そこまで通った音をバッファに通して音質の変化を狙う)、といった使い方もできるのかな、とは思います。Providenceからエフェクトボードの最後に配置するのを推奨した「final booster」というのが出てるくらいですし、そこはボードを組む人次第かと思います。(2022/1/24 追記)

バッファの効果を考えると、前述したように最初にまず信号をローインピーダンスにしてから他のペダルを繋いだ方が、バッファの効果は実感できるかも??


大事なこと

ここまで、インピーダンスだったりバッファだったり色々説明してきましたが、個人的に一番大切なのは

「今自分が出してる音が気に入ってるかどうか」

ここにつきます。
正直、セオリー通りじゃない繋ぎ方してたとしても、本人が気に入ってればそれでいいと思うのです。
逆にセオリーに縛られ過ぎて、自分の好きな音が出せない方が悲しい…
というのが個人的見解です。
バンドにギターとして参加している場合は、アンサンブルのことも考えるべきだと思いますが、自分一人で弾くなら、どんな繋ぎ方してたって自分が気持ちいい音出せてるならそれでいいと思ってます。

もしも音作りに苦戦していて、なかなかうまく出来ない、どこを見直せばいいかわからない。そんなときに、上記のような知識があれば、少しでも手助けになるかもしれない。
そんな気持ちで書いています。

おわりに

今回は主にバッファ、バイパスの形式2種について書いてみました。
繰り返しになりますが、どんな繋ぎ方、どんな機材を使っていても、自分が気持ちいい音を出せているならそれでオーケーだと思います。
もし音作りに迷ったら、少しでも参考になってくれれば嬉しいです。
また思いの外長くなってしまったので、ピックアップについては別であげるつもりでいます。

ここまで読んでくれた方々、ありがとうございました。
それではまた。

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