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松前町立大島小学校だより【4月号】

あの坂をのぼれば


校長 神  龍 治

 6年国語教科書の冒頭を飾る物語、『あの坂をのぼれば』(杉みき子作)は、平易で美しい文章です。
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 ―あの坂をのぼれば、海が見える。
少年は、今、どうしても海を見たいのだった。細かくいえばきりもないが、やりたくてやれないことの数々の重荷が背に積もり積もった時、少年は、磁石が北をさすように、まっすぐに海を思ったのである。自分の足で、海を見てこよう。山一つこえたら、本当に海があるのを確かめてこよう、と。
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私「この少年はどう考えても12歳、6年生だよねえ。」
6年生「そうなのかなあ・・・」(ぽかんとしている)
私「やりたくってやれないことって、6年生なら、きっとあるよねえ。〇〇ちゃんには勉強でかなわないとか、もっと運動が得意になりたいけど、無理だとか・・・」
6年生「どうかなあ・・・」(あまりピンとこない様子)
私「二代目ウルトラマンが第18話で怪獣を倒せなくて、太陽に力をもらおうと飛んで行ったら、太陽の引力に引き込まれそうになったけれど、ウルトラセブンが横から助けに来て、アイスラッガーと同じ威力を持つブレスレッドをくれた時の、あの感じだよねえ。」
6年生「???」(話についてこられない)
私「コンプレックスとか、ストレスとか・・・」
6年生「ああ、それなら、わかる。」
私「海を見に行くって、自分試し、力試しなんだよな。」
 
・・・果たして6年生には、どこまで通じたでしょうか。
 初恋や性の自覚(例えば、声変わり)など、思春期の始まりは、敏感な若い魂をしばしば強くゆさぶります。人と自分を比較して、自信をなくしたり、自己嫌悪に陥ったり…自我の目覚めは、暗く苦い体験を伴うことが多いように思います。一方、自信が持てるものを見つけた時の、驚きと感動は、闇にさす光のようです。たやすく落ち込みもすれば、有頂天にもなる、それが、12歳頃ではないでしょうか。
 何度坂を越えても海が見えず、少年も一度は「もう、やめよう」と考えます。その頭上を海鳥が通過、少年はひとひらの羽毛を手に、勇気を取り戻します。どんな遠くとも、必ず行き着いてみせると、少年は決意するのです。
「大丈夫。それでいいんだよ。」自分の人生を歩み始めた若者に、作者はエールを送るようです。思春期の嵐を乗り越え、子どもたちが力強く生き抜くよう願っています。


転入職員の紹介


令和5年度入学式

 4月6日(木)に、阿部(あべ)彩(あい)心(な)さん、熊谷(くまがい)結樹(ゆうき)さん、山田(やまだ)由(ゆ)珠(ず)さんの3名が、大島小学校に入学しました。小学生となったことを自覚し、しっかりとした態度で入学式に臨む姿が、大変立派でした。
今年度は来賓の方を6名お招きし、3名の新入生に励ましの言葉をいただきました。誠にありがとうございました。
在校生も新入生を温かい拍手で迎え、素晴らしい姿勢で1年生を見守りました。今年度のスタートにふさわしい入学式とすることができました。



令和5年度の大島小学校の体制

 大島小学校の子どもたちの健やかな成長のために、教職員一丸となって教育活動を推進してまいります。


学習参観
ありがとうございました!

 19日(水)に学習参観、PTA総会、懇談会を行いました。多くの皆様にご参加いただき、どうもありがとうございました。
 お家の方に見守られながらの学習でしたが、児童はいつも通り、学習によく集中していた様子です。終了後には「楽しかった~!」「頑張ったよ!」と感想を口にしていました。
 参観日に限らず、子どもたちの普段の様子を気軽にご覧いただければと思います。保護者の皆様、地域の皆様のご来校をお待ちしております。




<令和5年度 大島小学校運動会>
 6月4日(日)午前9時開始、12時終了の予定です。詳細につきましては、5月9日(火)に行われるPTA運営委員会において協議する予定ですので、ぜひご参加ください。


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